赤羽(Akabane)
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喫煙者ほど不摂生な傾向が出た!
タバコが健康に悪影響なのはもはや世間一般で見ても常識となってますね。煙に含まれるカドミウムなどの有害物質が体に悪かったりして、体をひどく酸化させてしまうのですが、この結果「タバコはがんや心臓疾患、糖尿病など万病のもとだ!」なんてことになってくるのであります。
しかしこうした害は既に多くの方がご存知だと思います。そこで今回は別の視点からタバコについてみていきましょう。まずは1998年に行われたメタ分析(#1)ですが、喫煙者ほど不摂生で不健康な食生活パターンが見られたことが分かりました。これは何となく想像がつくと思いますが、科学的にも証明されていたんですね。研究内容は以下の通りです。
- 51の栄養調査関連の研究が選出された
- 15の国で行われた研究(北アメリカ、ヨーロッパが主、オーストラリアやイスラエル、バングラデシュ)
- 非喫煙者が47250人、喫煙者が35870人
- 過去の栄養摂取含め日常の栄養摂取について調査
国による違いはまあまあ上手く分配されています。この手の研究はアンケートなんかの参加者頼りの方法になってしまい、結果に誤差が出やすいですが人数も多くてここも問題はなさそうですね。結果は次のようになりました。
- 喫煙者のほうが非喫煙者より次の栄養を摂りすぎていた
エネルギー | +4.9% |
総脂肪 | +3.5% |
飽和脂肪酸 | +8.9% |
コレステロール | +10.8% |
アルコール摂取量 | +77.5% |
- 喫煙者は非喫煙者より次の栄養が不足していた
不飽和脂肪酸 | −6.5% |
食物繊維 | −12.4% |
ビタミンC | −16.5% |
ビタミンE | −10.8% |
β‐カロテン | −11.8% |
- たんぱく質と炭水化物の摂取量にはあまり違いは無かった
パッと表を見ただけでもあまり良い食生活ではなさそうだなと分かる結果です。まずエネルギー(総摂取カロリー)が多めですし、脂肪の摂取量も軒並み高めで特に飽和脂肪酸を多めに摂ってることが分かります。こいつは体内で固まるので摂りすぎると動脈硬化などの心臓疾患のリスクを増長させてしまいます。対して不飽和脂肪酸は体内で固まらずに血液をサラサラにしてくれたり、悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があります。
不足している栄養面で言うと、ビタミンC、E、β‐カロテンは抗酸化ビタミンで体内の酸化を抑えてくれます。(老化の原因) 食物繊維には便通を促したり、「糖尿病のリスクも下げてくれる!」なんていう研究もあります。
こうして栄養面で見てみると心臓疾患やがんのリスクを高めるような食生活だとわかりますね。ですが、この研究では因果関係は明らかになっていないので、「タバコを吸うから食生活が不健康になる!」とは一概には言えないです。食生活がすさんでいる人がタバコに手を出しやすい、なんて可能性も考えられますから。
赤羽(Akabane)
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# Jean Dallongeville Nadine Marécaux Jean-Charles Fruchart Philippe Amouyel,”Cigarette Smoking Is Associated with Unhealthy Patterns of Nutrient Intake: a Meta-analysis“,The Journal of Nutrition,Vol128,No.9,pp1450–1457,1998.
# Jオイルミルズ「脂肪酸の種類について」
http://www.j-oil.com/oil/type/fa/#omega9「2018年3月24日アクセス」