赤羽(Akabane)
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10か国45万人の調査結果!ソフトドリンクを一日〇〇杯以上飲み続けると死亡リスクが高まる?
ジュースや清涼飲料水などの砂糖が多く含まれる飲み物は体に悪い!というのはたばこに並んで定説ですが、このテーマを調べた研究は毎年多く発表されています。
そこでこの記事では、ソフトドリンクと死亡リスクの関係を調査した新しいデータを見ていきます。
ソフトドリンクと死亡リスクの関係を10か国45万人で調査した結果..
2019年にユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの研究者らが発表した研究(#1)によると、一日当たりグラス2杯以上ソフトドリンクを飲む人は早死にリスクが高かったようです。
この研究は、ヨーロッパ10か国から451743名(平均50.8歳、女性321081名)を対象に、ソフトドリンクの消費頻度と調査期間中の死亡リスクの相関を調べたものです。具体的には、食事のアンケート調査を実施して、その後の生存を追跡していく流れですね。
調査期間は平均16.4年間で、このうち41693名の死亡が確認されました。そしてこの結果から、次のようなことが分かりました。
- 一日にグラス2杯以上のソフトドリンクを飲むと答えた人は、一か月に1杯未満と答えた人よりも死亡リスクが17%高かった
- うち砂糖入りジュースの場合は死亡リスクが8%、人工甘味料入りジュースの場合は26%高かった
まとめると、ソフトドリンクを毎日2杯以上(約500ml)のペースで飲んでいた人は期間中に亡くなるリスクがちょっと高かったんですね。理由は分かっていませんが、砂糖が使われていない人工甘味料入りジュースの方が死亡リスクは高く出ていますね。
更に詳しく見てみると、人工甘味料入りジュースと死亡リスクの相関においては、循環器系の病気で亡くなるリスクが52%高くて、砂糖入りジュースと死亡リスクの相関では消化器疾患で亡くなるリスクが59%高かったようです。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 因果関係を証明するものではない:観察研究なので、ソフトドリンクの飲み過ぎが早死に繋がった!という因果関係は証明できない(他の要素の影響をコントロールできないから)
- ソフトドリンクを飲む頻度は1回しか調査されていない:ソフトドリンクを普段どのくらい飲むか?という聞き取りは調査開始時点の1度しかされておらず、データの精度がかなり低い
- 含まれた国はヨーロッパのみ:ヨーロッパ諸国のみなので他の地域でどこまで当てはまる結果なのか?は不明
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 一日グラス2杯以上(約500ml)のソフトドリンクを飲み続けると、一ヶ月1杯未満よりも死亡リスクが17%高かった
- 砂糖入りジュースは循環器系疾患と、人工甘味料入りジュースは呼吸器系疾患と関わりが深いかもしれないようだ
- ソフトドリンクは二型糖尿や循環器疾患やがんなどあらゆる生活習慣病リスクを高める
こんな感じでしょうか。色々な研究が出ていますが、ソフトドリンクはやはり健康には良くないみたいです。
赤羽(Akabane)
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#1 Amy Mullee, et al. Association Between Soft Drink Consumption and Mortality in 10 European Countries. JAMA Intern Med. 2019;179(11):1479-1490.