【フルは膝痛めるは本当?】スクワットで膝を曲げる深さや位置で怪我のリスクはどう違うのか?

【フルは膝痛めるは本当?】スクワットで膝を曲げる深さや位置で怪我のリスクはどう違うのか?

赤羽(Akabane)

今回は「スクワットのしゃがみ込む深さと怪我」についてのお話です。

フルは膝痛める?スクワットで膝を曲げる深さや位置で怪我のリスクはどう違うのか?

スクワットは効果的なトレーニングですが、怪我のリスクがよく問題視されます。実際この問題についてはどこまで分かっているんでしょうか?

スクワットでしゃがみ込み深さでケガのリスクはどう違うのか?

早速ですが、参考になるのが2013年にゲーテ大学が発表したレビュー研究(#1)で、164件もの過去研究を集めて、膝の屈伸が浅いスクワットは本当に安全なのか?という疑問を調べてくれています。

ということで、まずは今回エントリーしたスクワットの種類を見ていきましょう。

  • クォータースクワット:曲げた膝の角度が110~140°になるまで屈む
  • ハーフスクワット:曲げた膝の角度が80~100°になるまで屈む
  • パラレルスクワット:曲げた膝の角度が60~70°になるまで屈む(膝からお尻にかけてが地面と水平になるイメージ)
  • ディープスクワット:曲げた膝の角度が40~45°になるまで屈む

パラレルスクワット イメージ

クォータースクワットやハーフスクワットはかなり膝の屈伸が浅くて、特にクォーターはラジオ体操の軽い屈伸運動くらい。これらは世間一般の認識では、膝への負担も小さくて比較的安全だとされています。

一方でパラレルやディープスクワットはかなり深いところまで膝を曲げます。こちらはかなり効きそうな感じはしますが、怪我のリスクが高いんでは?と考えられています。

でこれらのスクワットが膝蓋骨や膝の関節などにどのくらいストレスを与えるか?を対象の研究から調査して、最も負荷が大きい膝の角度などを測定しているんですね。

すると、こうした調査の結果、次の様なことがわかりました。

結果
  • 膝を深く曲げるスクワットは膝への負担も少ない
  • むしろ膝を浅く曲げるスクワットよりも膝に優しい
  • 最も膝への負荷が大きかったのは膝の角度が90°に差し掛かる辺り

ここから言えるのは、屈伸が深いスクワットは言われてるよりもずっと怪我のリスクが低いということ。

むしろ、クォーターやハーフなど浅めのスクワットと比べると、比較的膝にも優しくて安全であることがわかりました。

そして更に詳しく見ていくと、

  • 軟骨軟化症
  • 骨関節炎
  • 骨軟骨炎

膝を深く曲げるスクワットは、懸念されていた上記のようなリスクにも影響が見られなかった様子。こちらもむしろ、浅いスクワットのほうが長期的に見てもリスクが大きいと考えられるみたい。

ではどうして膝を深く曲げ切ると安全なのか?主なメカニズムとしては、深く曲げることで負荷が分散されることが挙げられます。

具体的を一つ。膝を深く曲げて屈むと、大腿骨(太ももの骨)付け根部分が四頭筋腱と接触する面積が広くなります。すると、負荷が膝関節から四頭筋腱へと広く分散されるんですね。

まとめ

では最後に研究チームの言葉で締めましょう。

技術を専門家の監督の下で正しく身につけたり、適切に重量を増やしていければ、深くしゃがみこむスクワットは怪我の防止や下肢の強化に効果的なトレーニングとなるだろう。[筆者訳]

膝を深く曲げるスクワットはしっかりしたフォームで適切に行えば、むしろ浅いスクワットよりも膝に優しい!という点を押さえておくと良さそうです。

赤羽(Akabane)

適切な負荷ということで、初心者の方はまずは自重スクワットから始めてみてはいかがでしょう?スクワットについて詳しくは以下もあわせてご参考までに。

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参考文献&引用

#1 Hartmann H, Wirth K, Klusemann M. Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load. Sports Med. 2013 Oct;43(10):993-1008.