「カルシウム」は諸刃の剣!サプリは結局飲むべきか?食事から摂るべきか?

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「カルシウム」は諸刃の剣!サプリは結局飲むべきか?食事から摂るべきか?

「カルシウム」は諸刃の剣!サプリは結局飲むべきか?食事から摂るべきか?

今回は重要ミネラル「カルシウム」についてのお話です。
 
 
カルシウムと聞くと「骨太に!」とか「イライラしたら摂ろう!」とかで有名なミネラルですが、意外と知られていないことが沢山あります。
 
 
ということで、ここからは今分かっているカルシウムの良い面と悪い面を両方全部見ていきましょう。
 

明暗を分かつ!「カルシウム」のメリットとデメリット

参考になるのが2018年にテュレーン大学が発表したレビュー研究(#1)で、「カルシウムサプリの良い、悪い、醜い:カルシウム摂取による人体への健康効果」といったタイトルになっています。
 
 
この研究では過去のカルシウム研究を集めて、現段階分かっているカルシウムのメリット・デメリットを次のように並べてくれていました。

 

メリット
  • 骨粗しょう症リスク↓:サプリで骨密度が増えたり、骨粗しょう症発症リスクを下げるという報告がある。ビタミンDと組み合わせるとより効果的らしい。
  • 循環器疾患リスク↓:食事のカルシウム摂取を増やすことで循環器疾患のリスクが減るとの報告あり。これはカルシウムが脂質を調整したり血圧を改善したりする結果だと考えられている。
  • 消化器疾患リスク↓:食事からのカルシウム摂取を増やすと直腸結腸がんリスクが減っていくとの報告がある。同様の結果がサプリでも確認されている。
  • 腎結石リスク↓食事かサプリからのカルシウム摂取で尿中のシュウ酸値を減らすことができるとの報告がある。これが結果として腎結石形成のリスク減につながる。
デメリット
  • 骨粗しょう症リスク↑:このジャンルではメリットを報告する研究が多い。が幾つかはカルシウムサプリが高齢での股関節骨折リスクを下げるどころか、逆に上げる可能性を報告している。
  • 循環器疾患リスク↑:心筋梗塞や心筋虚血が主な疾患で、サプリの摂取によるリスク増加が報告されている。一度の多量摂取が、血管など循環器を石灰化させてしまうからだと考えられている。
  • 消化器疾患リスク↑:便秘や下痢、膨満感などが増える可能性があって、特に炭酸カルシウムサプリでこの傾向が強いみたい。また直腸結腸腺腫のリスクを上げるという報告もあるが、結果は研究によってバラバラな状態。
  • 腎結石リスク↑:主にサプリで逆に腎結石ができるリスクが高まるとの報告もある。ビタミンDとの同時服用でもリスクが高まるかもしれない。
 

そうです、お気づきかもしれませんが、カルシウムの健康面のメリット・デメリットは同じ疾患リスクに対して起こっているんですね。有名な骨粗しょう症に対しても、リスクを下げることもあれば逆に上げちゃう可能性もある、と。
 
 
心筋梗塞については、過去に当サイトでも取り上げました。ザックリと、2010年のメタ分析(#2)で、カルシウムサプリで心筋梗塞リスクが31%高まったという結果でした。
 
 
こうした現状の結果について、研究チームは次のように仰っていました。
 

過去の文献に目を通して見ると、カルシウムサプリは諸刃の剣だと言わざるを得ない。その効果によって骨の形成を促進したり骨粗しょう症を予防したりできる一方で、潜在的なネガティブな影響がある可能性も否めない。[筆者訳]

 
つまり、使いようによってプラスにもマイナスにもなる「扱いが難しい栄養素」なんですね。もちろん他栄養素もそうですが、カルシウムに至っては特に繊細な感じがします。
 

カルシウムが諸刃の剣になるのはどうして?考え得る要因とは?

ではどうしてこんなことが起こるんでしょう?現段階で考えられる要因としては、

 

  • カルシウムの摂取量:サプリで逆効果が表れやすいのは一度に多量摂取することになるからかもしれない
  • 食事かサプリかの違い:現状では食事のほうがサプリより安全でメリットが大きい傾向が出ている
  • 対象者の特徴やサンプル数の違い:研究によってサンプル数100~1000単位まで幅広いうえに、対象者の年齢や性別、その他特徴も大きく異なる
  • まだ判明していない潜在的なメカニズムがある

 
この辺りが影響しているかな?という印象です。諸刃の剣が嫌であれば、「食事から摂取」しておけば安パイかと思います。
 

まとめ

では最後に今回の内容をまとめます。

 

ポイント
  • カルシウムは諸刃の剣で、摂取方法や量、対象者の特徴などによって良くも悪くも働く可能性がある
  • 現時点では、サプリだとリスクが大きいので食事の摂取が推奨されるだろう
  • カルシウムの十分な摂取で骨だけでなく循環器疾患、消化器疾患、腎結石リスクまで減らせるかも
 

こんな感じでしょうか。先ほども書いたように、サプリでの摂取はリスクが大きいので、普通に食事からが安全でメリットも大きいかと思います。

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赤羽(Akabane)

カルシウムは「骨を強くする」「イライラに効く」みたいな簡単な言葉で片付けられがちですが、実はかなり奥が深い栄養分です。(他の栄養もそうですが..) 足りてないからと言って、安易にサプリに手を出すと危険かもしれないので、何度も言いますが食事からの摂取をお勧めします。

カルシウムサプリで心筋梗塞リスクが高まる!の記事

参考文献&引用

#1 Kelvin Li, Xia-Fang Wang, Ding-You Li, et al. The good, the bad, and the ugly of calcium supplementation: a review of calcium intake on human health. Clin Interv Aging. 2018; 13: 2443–2452. 

#2 Mark J Bolland,Alison Avenell,John A Baron,et al. Effect of calcium supplements on risk of myocardial infarction and cardiovascular events: meta-analysis. BMJ,Vol.341,2010.