筋トレは青少年の健全な自我・自己評価を育むのにも効果的か?

筋トレは青少年の健全な自我・自己評価を育むのにも効果的か?

赤羽(Akabane)

今回は「筋トレが青少年の自我の形成に役立つ?」というお話です。

筋トレは青少年の健全な自我・自己評価を育むのにも効果的か?

筋トレをすれば分かりやすく見た目も変わりますし、内側からも男性ホルモンの分泌などが起こって性格にも変化が見込めます。

というわけで、この記事では筋トレの効果は青少年の健全な自我形成にも効果的なのか?という疑問を見てみましょう。

筋トレとティーンエイジャーたちの自我形成の関係をまとめたメタ分析によると…

2019年にエディンバラ大学が発表したメタ分析(#1)によると、どうやら筋トレは青少年の自己効力感や自信を高めるのにも効果的みたいです。

この研究では青少年460名(10〜16歳)を対象にした7件の研究を集めて、8~24週間の筋トレによる次のような効果を検証しました。

  • 筋トレにおける自己効力感
  • 肉体的な強さの感覚
  • 肉体的な自己評価
  • 全体的な自己評価
  • 体の魅力
  • 肉体的なコンディション
  • 競技スポーツでのパフォーマンス

そして最終的に4件の研究から7つの実験がメタ分析に含まれて、上記の各項目における筋トレの効果を効果量(そのまま効果の大きさを表す数値)で測定したんですね。

すると結果、以下のようなことが分かりました。

筋トレで改善

  • 筋トレにおける自己効力感(g = 0.538, 95% CI 0.254 ~0.822, P < 0.001)
  • 肉体的な強さの感覚(g = 0.289, 95% CI 0.067 ~0.511, P = 0.011)
  • 肉体的な自己評価(g = 0.319, 95% CI 0.114 ~0.523, P = 0.002)
  • 全体的な自己評価(g = 0.409, 95% 0.149 ~0.669, P = 0.002)

筋トレで改善せず

  • 体の魅力(g = 0.211, 95% CI − 0.031 ~0.454, P = 0.087)
  • 肉体的なコンディション(g = 0.089, 95% CI − 0.238 ~0.417, P = 0.593)
  • 競技スポーツでのパフォーマンス(g = 0.004, 95% CI − 0.218 ~0.225, P = 0.974)

「g =」の数値が効果量で、大体0.2〜0.5は小〜中くらいの効果だと捉えられます。筋トレは青少年たちの発育過程において重要な役割がありそうですね。特にフィジカル面で自信がついて、結果的に自分の全体的な評価も高まる様子。

思春期には特に自分の体や見た目が気になるものですし、精神的にも不安定になりやすい時期。そこに筋トレを取り入れることでセルフイメージが改善される可能性が見込めます。

注意点・まとめ

ただし注意点としては、含まれた研究数やサンプルも少ないという点は押さえておくとよろしいかと思います。つまりメタ分析と言えど、統計的なパワーはまだ弱いということですね。

また大半の研究がアメリカで行われたものなので、この結果が他の国や文化でどこまで一般化できるのか?も良く分かっていません。

では以上を踏まえて、最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 筋トレは青少年の健全な自我や自信の形成に重要な役割がありそうだ
  • 特にフィジカル面での自信や自己評価が高まる傾向が確認されている
  • 負荷や量、種類などの設定に気を付ければ、青少年の筋トレはどんどん推奨されるべき

こんな感じでしょうか。今や青少年のうちから筋トレを始めない理由が見当たらないですし、個人的には専門知識のある監督者のもとであれば青少年の筋トレは推奨されるべきと思います。

赤羽(Akabane)

子どものうちから筋トレしすぎると背が伸びない!というのも否定されていますし、むしろ適度な筋トレで成長ホルモンの分泌が促進されます。筋トレの関連記事も以下に置いておきますので、興味のある方は是非。

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参考文献&引用

#1 Collins, H., Booth, J.N., Duncan, A. et al. The Effect of Resistance Training Interventions on ‘The Self’ in Youth: a Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med – Open 5, 29 (2019).