赤羽(Akabane)
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幸せな人は良いか悪いかに関係なく「ある条件」を満たす経験をたくさんしているようだ
早速ですが、幸せな人って「ある条件」を満たす経験をたくさんしていたよ!という研究が出ていたので共有します。
ポジティブかネガティブかに関わらず自分が望んだ経験をしている人が幸せだった!という8か国調査
これは2017年にヘブライ大学が発表した研究(#1)で、8か国から2324名の参加者を集めたもの。
調査としては、参加者らによく経験する感情、経験したいと望む感情、主観的な幸福度、うつ症状スコアに関するアンケートを記入してもらって、これらの関わりあいを調べたようです。
よく経験する感情と経験したい感情については、「この気持ちは普段どのくらいの頻度で経験しますか?」「この気持ちは普段からどのくらい経験したいですか?」といった質問に5段階で答えていく感じだったみたい。
するとこの結果、こんなことが分かりました。
- よく経験する感情と経験を望む感情のマッチが大きい参加者ほど幸せを感じていた
- 経験を望んだ感情は、ポジティブ/ネガティブに関係なくマッチしていれば幸せを感じていた(喜び、情熱、落ち着き、怒り、憎しみetc..)
- やはりポジティブな感情を日頃よく体験して、ネガティブな感情が少ない人は幸福度が高かった
- 逆にネガティブな感情を日頃よく体験して、ポジティブ感情が少ない人はうつ症状スコアが高くなった
ポイントは特に上の2つ。つまり、普段から望んだ感情・気持ちを体験できている人は、その内容に関係なく高い幸福を感じる傾向にあった、と。望んだ感情ならば、怒りや悲しみといったネガティブなモノでも幸福度を上げる、というのは意外ですね。
しかもこうした傾向はどの国・地域でも一貫して確認されたようです。この点ではなかなか一般化できる傾向かと思います。
注意点・まとめ
ただ幾つか注意点もあって、
- アンケートなので主観が混じる
- 感情の種類によっては国・地域別で影響が変わった
- ネガティブ感情で一部調査が足りてない部分があった
こうした点は押さえておくとよろしいかと思います。例えば、「愛や共感」といった自己超越的な感情のマッチに関しては、発展途上国より先進国で高い人生満足度のアップ、うつ症状スコアの低下と繋がっていました。
また調査対象だったネガティブ感情については、「不快な感情」としてネガティブな自己高揚感情しか含んでいなくて、罪悪感や恥、恐れなどは対象外だったり。
こうした点も踏まえて今回の内容をまとめると、
- 幸せな人の特徴は、「自分が望んだ気持ち・感情」を日頃から体験できていたこと
- その気持ちや感情の内容は望んでいればポジティブ/ネガティブ関係なし
- アリストテレスは正しかった..かもしれない
こんな感じでしょうか。突然偉人が登場しましたが、研究によるとアリストテレスはこのように仰っていたみたいです。
アリストテレスによると、幸せとは人々が各々の必要性や動機に応じて適切だと思った感情や気持ちを含んでいるものだという。[筆者訳]
今回の結果は、偉大な先人の知恵が正しかったことを示唆していますね。この格言は知らなかったので覚えておこう…
赤羽(Akabane)
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#1 Tamir M, Schwartz SH, Oishi S, Kim MY. The secret to happiness: Feeling good or feeling right? J Exp Psychol Gen. 2017 Oct;146(10):1448-1459.