赤羽(Akabane)
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闇属性の心理特性「エンタイトルメント」には3つの種類がある!
エンタイトルメント(Entitlement)とは、心理学的には「自分はもっと賞賛されるべき特別な人間なんだ…!」みたいに、自分には他人にない特別な何か資格があると考える性質のことです。
この特性は闇の性格3属性「ダークトライアド」を更に細かく分けたダークファクターの一角を担っていたり、何かと良いイメージはないように思います。
ただ、エンタイトルメントも細かく分けてみると良い種類もあるかもしれないよ?ということで、続きを見ていきましょう。
闇の性格特性「エンタイトルメント」にも3種類ある!
参考になるのが、2015年にグダニスク大学が発表した研究(#1)で、エンタイトルメントをタイプ毎に分けて、各種が組織やグループにどんな影響を与えるのか?を調べたもの。
では早速、研究内で挙がった3種類のエンタイトルメントを見てみましょう。
- アクティブ・エンタイトルメント:私利私欲を優先して徹底的に追究して、自分の能力に見合った評価はしっかり求めるタイプ
- パッシブ・エンタイトルメント:周りの人や組織には自分が求める評価を与える義務があると考えるタイプ
- リベンジ・エンタイトルメント:私利私欲を優先して、自分が辱められたり脅かされた場合には報復をしたりずっと恨み続けるタイプ
こうしてみると、タイプによって随分中身が違うのが分かりますね。アクティブ・エンタイトルメントは比較的真っ当な感じで、リベンジ・エンタイトルメントがこの中だと社会的にも嫌われそうな感じがします。
で実際に研究内で行われた実験を見てみても、複数の企業から100名の従業員(22~59歳)を対象に、彼らのエンタイトルメントやナルシシズム度と組織内での振る舞いなどを調べるオンライン調査を行ったところ、こんな結果になっていました。
- アクティブ・エンタイトルメントは組織内での良くない振る舞いとは逆の相関が見られ、むしろ良い影響を与えていた
- リベンジ・エンタイトルメントは組織内での良くない振る舞いとは相関が見られなかったが、組織への好影響も少なかった
- ナルシシズムのほうがリベンジ・エンタイトルメントよりも組織に与える悪影響は大きいかもしれない
まとめると、エンタイトルメントの中でもアクティブタイプは組織にいい影響があるかもしれない!ということ。ただ、リベンジタイプも悪影響があるわけではなくて、だからと言っていい影響もないという感じでした。
注意点・まとめ
注意点としては、上で出た結果は統計的に質が低めです。オンラインでのデータを集めて相関関係を調べただけですし、サンプルサイズも少なめ。ひとまずはエンタイトルメントにも3種類あるんだ、と押さえておくと良さそうです。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- エンタイトルメントには「アクティブ」「パッシブ」「リベンジ」の3種類がある
- 会社など組織に及ぼす影響としてはアクティブは好影響が見られ、リベンジでは特に何も好影響はなかった
- エンタイトルメントもモノによって特性が違うという点は押さえておきたい
こんな感じでしょうか。悪いイメージがつきまとうエンタイトルメントでしたが、中には良い一面もあるんだぞ、ということでおひとつ。
赤羽(Akabane)
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#1 Szalkowska, A., Żemojtel-Piotrowska, M., & Clinton, A. (2015). Entitlement and organizational behaviors: The moderating role of narcissism. Current Issues in Personality Psychology, 3(4), 230-241.