赤羽(Akabane)
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ボランティア活動で幸福度が高まりやすいのは中年以降かも!らしい
早速ですが、参考になる最新研究を覗いてみましょう。
ボランティア活動と幸福度の相関はライフステージによって変わるぞ!というイギリスの調査結果
これは2019年にサウサンプトン大学が発表した研究(#1)で、イギリスの家庭を調査したデータセットから、66343人年分のデータを対象にしたものです。
このデータには15歳以上のあらゆる年齢層が含まれていて、彼らの暮らしや収入、健康状態など色々な情報が集められました。でその中にボランティア活動についての項目とメンタルヘルスの項目があって、今回はこれらの相関を参考にしていく流れです。
調査データは1996~2008年の間に7度の波で集められて、ボランティア活動への貢献はこんな風にグループ分けされました。
- ボランティア熱心:週に1回
- そこそこ熱心:月に一回、年に数回
- たまに参加:年に1回あるかどうか
- 全くしない:一度も参加しない
そして調査データを分析した結果、全体で21%の人がボランティア活動に参加していたようで、ここから次のようなことが分かりました。
- ボランティア活動をしていた人はそうでない人よりメンタルの幸福度が高かった
- ボランティア活動で幸福度が高まるのは40代以降の中年~高齢期だった
- 若者のうちはボランティア活動と幸福度の相関は弱かった
どうやらボランティア活動と幸福度の相関は、人生のステージによって変わってくるみたいですね。40代という中年期以降はボランティアの頻度に応じて幸福度も高くなっていきました。
しかもこうした結果は、他の要素(性別、職業の階級、収入)と照らしてみても一貫していて、なかなか強い影響を持っているんでは?と考えられます。
注意点・まとめ
ただし幾つか注意点もあります。
- 研究の質は低い:過去の調査データを振り返るデザインなので、コントロールできる割合が限られる。他の要素の影響も大きいかもしれない。
- 非公式なボランティア行動は考慮されてない:日常のちょっとした親切行動など、細かいところまでは調べ切れていない
- ボランティアは中年以降でメリット!という知見はまだ一般化できない:ボランティア活動が幸福度と相関関係があるのは多くの研究で実証されているが、中年からメリットが大きい、という傾向はまだ一般化できるか分からない
この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- ボランティア活動は軒並み幸福度を高めてくれる
- 特に40代くらいの中年期からその恩恵は高まった
- 逆に若者では恩恵が少なかったが、これは「若者はボランティアしなくていい」というわけではないので注意
こんな感じでしょうか。これまでもボランティア活動が幸福度と関係しているのを示すデータはありましたが、今回の結果はより具体的に中年期から好影響だよ!と示してくれましたね。
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Tabassum F, Mohan J, Smith P. Association of volunteering with mental well-being: a lifecourse analysis of a national population-based longitudinal study in the UK. BMJ Open 2016;6:e011327.