赤羽(Akabane)
目次
体内に備わった超優秀なエネルギー感知機能「AMPK」基礎編!プチ断食やメトホルミンとの関係も解説。
この記事では、①AMPKって何?、②AMPKにはどんなメリットがあるの?、③AMPKとプチ断食やメトホルミンってよく一緒に聞くけどどんな関係があるの?、といった質問について解説をしていきます。では順を追ってみていきましょう。
AMPKって何?
AMPKの正式名称は「AMP activated protein Kinase(AMP活性化プロテインキナーゼ)」で、体内でエネルギー代謝に関わっている酵素の一種です。
よく例えられるのが「燃料センサー」で、体内のエネルギーが枯渇しかけた時にAMPKがそれを感知、全身の細胞に「もっとエネルギーを出しましょう!」と指示を出す役割があるんですね。
このセンサー機能のおかげで、体は主要なエネルギー源である糖質(グリコーゲン)を切らしてしまっても、スペアとして脂肪を燃やすように代謝のスイッチを切り替えられるようになっている、と。あっぱれですね。
AMPKにはどんなメリットがあるの?
ではこのAMPK、一体どんな健康的メリットがあるんでしょうか?2012年に東フィンランド大学が発表したレビュー研究(#1)では、我々が年を取ってこのAMPKが衰えるとどんな影響があるのか?をまとめてくれていました。
以下がそのザックリした図です。
まとめると、AMPKは体や見た目を老けさせない為の重要な役割を担っていて、健康寿命を延ばすのにも欠かせないモノだと言えるでしょう。
AMPKとプチ断食やメトホルミンってよく一緒に聞くけどどんな関係があるの?
AMPKはよく「プチ断食」や「メトホルミン」とセットで聞くこともあるかと思いますが、一体どんな関係があるんでしょうか?この辺りもザっとまとめて見ていきましょう。
- プチ断食:基本は24時間以内の期間で断続的に断食をする方法で、体内のエネルギー源(グリコーゲン)は大体12~36時間で尽きるので、その間にAMPKが活性化して脂肪を燃やしてくれやすくなる
- メトホルミン:二型糖尿病を中心に糖尿病や肥満に特化した処方薬で、AMPKを活性化させる効果を通じて、インスリン抵抗性を改善したり、脂肪を燃えやすくして症状の治療に貢献する
つまり、これら2つが健康にイイ効果をもたらすのには、AMPKを活性化させる経路が大いに関係しているということです。他にもAMPKは至るところで活躍していて、正にエネルギー代謝のマスターキーです。
まとめ
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- AMPKは体内のエネルギー代謝におけるセンサーみたいな役割の酵素
- エネルギーが不足すると、全身の細胞に指示出しをしてエネルギーの代謝経路をチェンジ&脂肪を燃やしてエネルギーを補う働きがある
- プチ断食やメトホルミンはAMPKを活性化させる効果があって、二型糖尿病などあらゆる生活習慣病に予防&改善効果が見込める
こんな感じでしょうか。他にも運動もそうですし、とにかく体に微妙のストレスを与えることでAMPKが活性化しやすいことが分かっています。
赤羽(Akabane)
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#1 Salminen A, Kaarniranta K. AMP-activated protein kinase (AMPK) controls the aging process via an integrated signaling network. Ageing Res Rev. 2012 Apr;11(2):230-41.