自然に囲まれた環境でアクティブに感じる「ネイチャーベースド・マインドフルネス」の効果とは?

バイオフィリア, マインドフルネス, 瞑想

自然に囲まれた環境でアクティブに感じる「ネイチャーベースド・マインドフルネス」の効果とは?

自然に囲まれた環境でアクティブに感じる「ネイチャーベースド・マインドフルネス」の効果とは?

今回は「ネイチャーベースド・マインドフルネス」についてのお話です。
 
 
ネイチャーベースドというのは、そのまま「自然環境を基盤にした」という意味なので、自然の中で実践するマインドフルネス訓練のお話ですね。
 
 
まずはマインドフルネスについて、ザックリおさらいしておきましょう。(ご存知の方は読み飛ばし可)
 

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、簡単に言うと「今ココの意識」のことで、いかに未来や過去でなく今に意識が向いているか?のことです。
 
 
マインドフルネスに関する2018年のレビュー研究(#1)では、こんな風に定義されております。
 

マインドフルネスは訓練やその過程、特徴を広義的に指して使われる言葉であり、多くは物事に注意を向ける力、気づき、記憶、受容の精神に関連している。この言葉は仏教にそのルーツを持っている一方で、心理学や精神医学、神経学やその他さまざまな分野で人気を博している。[筆者訳]

 
キーワードとしては「注意」「受容」あたりを押さえておくとよろしいかと思います。
 
 
とはいえ我々現代人はマインドフルネスな状態になれていないんじゃないかとも思うわけです。幾つか例を挙げて見ていきましょう。

 

  • 目の前の信号の色を気にして歩いている(点滅しませんように!)
  • スマホをいじりながら食べ物を胃に流し込む(どのくらい食べたか覚えていない)
  • 朝起きたらその日の仕事・授業のことで頭がいっぱい(面倒くさいなあ.. あれやってこれやって..)

 

こんな感じで、現代人は未来のスケジュールやタスクにばかり気を取られてしまっていて、今この瞬間に意識を向ける余裕がないんではないかと。
 
 
では以上を踏まえて、自然に囲まれて実践するマインドフルネスの効果を見ていきましょう。
 

自然の中で行うマインドフルネストレーニングの効果はどのくらい?最新のメタ分析によると..

2019年にコペンハーゲン大学が発表したメタ分析(#2)では、25件の研究から2990名(平均30.71歳)を対象に、自然の中で行うマインドフルネスはどのくらい効果があるのか?をまとめてくれていました。
 
 
ここでは各研究の特徴から、大きく3つの実験デザインに分かれました。

 

  • 比較対象なしの実験(13件)
  • 何もしないグループとの比較実験(5件)
  • 似た内容だが自然との触れ合いがないグループとの比較実験(7件)

 

比較実験とそうじゃない実験で半々といったところでしょうか。参加者らは健康な人からメンタルに病を抱えた人まで様々で、効果の指標はこうした疾患への効き目やストレス、心拍変動などをチェックしたようです。
 
 
実験期間は15分~90日と短めで、実験終了後も追跡調査を続けていた8件の研究では、2週間~18か月の追跡期間も設けられたみたい。
 
 
そしてこうした実験をまとめた結果、次のようなことが分かりました。

 

  • 全体の効果をまとめると、実験前後でターゲットの症状・項目が中くらい改善した(g = 0.54, p < 0.001)
  • 比較なしの実験で最も高く効果がみられ、似たような実験で自然に触れないグループとの比較でも小さいながら効果が見られた(g = 0.26, p = 0.023)
  • お庭や公園よりも大自然の中のほうが効果が高かった(g = 0.33, p = 0.008 vs.g = 0.66, p<0.001)

 

まとめると、普通にマインドフルネスをするよりも「ネイチャーベースド・マインドフルネス」で僅かながらも高い効果が見られたんですね。この効果は特に自然環境マインドフルネス訓練の種類によって効果に有意な差が出たようです。
 
 
ちなみに「g = 〇〇」の数値は効果量を表していて、これはそのまま効果の大きさと捉えられます。「中くらい」とか「小さいながらも..」といった表現はこの数値を基準にしています。
 
 
自然と触れ合うことで自律神経が整って、血圧が改善したりストレスホルモンが減ったりすることは科学の定説ですが、どうやらマインドフルネスと組み合わせれば、更なる高い効果が見込めそうです。
 

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、やはり結果にバラつきがかなり見られます。つまり一貫して「この位の効果があるよ」とは言い切れないということで、マインドフルネス訓練の種類や期間、参加者のコンディション、ターゲットの症状や指標の違いなど色々な要因が影響していると考えられますね。
 
 
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

 

ポイント
  • 自然に囲まれながら今ココの意識を研ぎ澄ます「ネイチャーベースド・マインドフルネス」
  • 普通のマインドフルネス訓練と比べてもわずかながら高い効果が出た
  • 効果の程度はまだ一貫していないものの、自然とマインドフルネスを組み合わせることで精神を安定させる効果をブーストさせることができそうだ
 

こんな感じでしょうか。バラつき問題はあるものの、ひとまずは自律神経を整えたり絶大なリラックス効果があるのは間違いないので、時々自然と触れ合いながらマインドフルネスを鍛えてみると良さそうです。

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赤羽(Akabane)

自然やマインドフルネスについては当サイトでもかなり触れてきました。どちらもメンタルを整える筆頭のアプローチになるので、興味のある方は以下もご覧ください。

自然やマインドフルネスについてはこちらもどうぞ

参考文献&引用

#1 Nicholas T. Van Dam, Marieke K. van Vugt, David R. Vago, et al. Mind The Hype: A Critical Evaluation and Prescriptive Agenda for Research on Mindfulness and Meditation. Perspect Psychol Sci. 2018 Jan; 13(1): 36–61.

#2 Djernis D, Lerstrup I, Poulsen D, et al. A Systematic Review and Meta-Analysis of Nature-Based Mindfulness: Effects of Moving Mindfulness Training into an Outdoor Natural Setting. Int J Environ Res Public Health. 2019 Sep 2;16(17). pii: E3202.