赤羽(Akabane)
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運動で学習効果は高まる!けどマインドフルネス瞑想と組み合わせたらシナジー効果が生まれるかも
マインドフルネス瞑想についてはこちらをザっとご覧ください。一旦本題へ進みましょう。
【マインドフルネス瞑想との違い】思考を観察して自分を見つめ直す仏教の「ヴィパッサナー瞑想」とは?
運動 vs. 運動 + マインドフルネス瞑想!どちらが記憶力を高めてくれるのか?
2019年にミシシッピ大学が発表した研究(#1)では、20名の若い男女(平均21.6歳)を対象に、運動やマインドフルネス瞑想で脳機能や記憶力はどのくらい良くなるのか?を調べていました。
まずこの研究では、各フェーズごとに数日間空けて、参加者に次の3フェーズを過ごしてもらう実験を行いました。
- 運動のみ:予備心拍数の70%で10分運動→5分数独問題(休憩)→学習テスト→10分数独問題→記憶力テスト
- 予備心拍数の70%で運動 + マインドフルネス瞑想:10分運動→5分数独問題(休憩)→学習テスト→10分ボディスキャンやマインドフルネス瞑想→記憶力テスト
- コントロール:15分数独問題を解く→学習テスト→10分数独問題→記憶力テスト
各グループで行われた学習テストは、15個の単語で1リストとしてこれを記憶、その後違うリストも覚えてから、最初のリストをどのくらい覚えているか?という感じで進んでいきました。で記憶力テストのフェーズで、10分前にやった一番最初のリストをどのくらい覚えてるか?を聞いていったようです。
するとこの結果、こんなことがわかりました。
- 運動をした場合、コントロールで過ごした場合よりもその後リストをよく覚えていた
- 実験最後の記憶テストでは、運動 + マインドフルネス瞑想で他のフェーズよりも記憶力スコアが高かった
まとめると、まず運動だけでもその後の記憶力定着レベルはアップしていて、マインドフルネス瞑想と組み合わせるとなお良し!という結果が出たんですね。
こうした結果になったメカニズムとしては、瞑想による短期的な脳の活動変化が挙げられます。瞑想中には記憶の引き出しを整理するような活動が見られるんですが、これが記憶テストの結果に繋がったんじゃないか?と考えられています。
注意点・まとめ
ただしこの研究にも注意点もいくつかあって、ザッとこの辺りは押さえておくとよさそうです。
- 長い目で見た効果はこの実験からは分からない
- 比較実験ではなく、同じ参加者で別日に分けて試した結果である
- サンプルサイズは小さく若者のみ対象
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 運動はやはり記憶の定着に好影響をもたらしてくれそう
- 運動とマインドフルネス瞑想を組み合わせればシナジー効果が生まれてなおよし!かも
- 長期的に見てどうなるか?はわからない
こんな感じでしょうか。他の研究も合わせて考えると、この2つが脳の機能に何らかのメリットがあることは間違いないですね。
赤羽(Akabane)
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#1 Austin M, Loprinzi PD. Acute exercise and mindfulness meditation on learning and memory: randomized controlled intervention. Health Promot Perspect. 2019 Oct 24;9(4):314-318.