赤羽(Akabane)
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ラスボス感の強い毒性物質「AGEs(終末糖化産物)」とは
早速今回参考にするのが、2010年にマウントサイナイ医科大学が発表した研究(#1)でして、AGEsのいろはが学べる素敵な論文。まずはAGEsとは何なのか?という点をザックリ見てみましょう。
AGEsとは?
AGEsはたんぱく質のアミノ酸や脂質、核酸と糖質が加熱などによって結びついてできる毒性の強い物質である。こうした反応はメイラード反応(褐変反応)として知られている。[筆者訳]
メイラード反応の分かり易い例を挙げると、ホットケーキが焼けてくると茶褐色になるアレなんかはそうですね。牛乳のたんぱく質や脂質がホットケーキミックスの糖質と一緒に高熱調理されることで発生する、と。
AGEsの一種として代表的なのはコーヒーが危ない!という主張の根拠になっている「アクリルアミド」ですね。こいつは特に毒性が強く発がん性があると言われていたりしますが、色々まとめるとコーヒーは危険視する必要はなさそう!というのが大方の結論であります。(*詳しくはリンク先ご参照のこと)
そしてたんぱく質が加熱されるとできる、ということはつまりお肉や乳製品は特にこのAGEsが多いのですね。実際に本研究内でも「AGEsの多い食品リスト」みたいなものが挙げられてまして、以下のようになっておりました。
AGEsの多い食品リスト
- 牛肉
- チーズ
- 鶏肉(家禽の肉)
- 豚肉
- 魚
- 卵
やはり動物性食品はAGEsが多い様子。特にソーセージやベーコンなどの加工肉食品はAGEsの量がヤバいみたいで、避けたほうがよさそうですね。この点は過去に紹介したハーバード大メディカルスクールの「炎症と闘う食事」とも一致していて、どうやらAGEsが体内に溜まりすぎると体が酸化&炎症を引き起こしてしまうみたい。
ハーバード大学メディカルスクールが勧める『炎症と闘う健康的な食事』AGEsの量は「調理法」で決まる!
「お肉や乳製品にはAGEsが沢山!」と聞くと「じゃあ肉とチーズは全部アウトなの?」と思われるでしょうが、ここで決め手となるのはズバリ調理法です。本研究ではAGEsを大量に作り出す調理法と、抑えられる調理法を分けてくれています。
◎AGEsを抑える調理法
- 茹で
- 蒸し
- シチューにする
×アウトな調理法
- 揚げ物
- グリル
- オーブン焼き
調理法の分類から何となく察しがつくと思いますが、AGEsの観点からアウトな調理法の共通点は以下の通りであります。
- 高温の調理
- 調理中、水分が少ない状態が続く
「高温で加熱しちゃダメ!」とはよく聞きますが、水分も関係しているのですね。つまり牛肉で例えると、ステーキにしてしまうよりもビーフシチューがずっと良いということ。そして更に研究者はこんな調理法もオススメしていました。
調理された肉においてAGEsが更に生成されるのを防ぐには、あらかじめレモン果汁やお酢に浸けておくのも手だ。酸化させておくことでAGEsの生成を防ぐことができる。
実際に、調理前にマリネされた牛肉はそうでない肉の半分以下しかAGEsが生成されなかったのだとか。これは素晴らしい..。
赤羽(Akabane)
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#1 Uribarri J, Woodruff S, Goodman S, Cai W, Chen X, Pyzik R, Yong A, Striker GE, Vlassara H,”Advanced glycation end products in foods and a practical guide to their reduction in the diet.“,J Am Diet Assoc. 2010 Jun;110(6):911-16.