意外と見落とされがちな特徴?周りに好かれる子どもは「一緒に居て楽しい」という評判が高い

意外と見落とされがちな特徴?周りに好かれる子どもは「一緒に居て楽しい」という評判が高い

赤羽(Akabane)

今回は「子どものコミュニティで意外と見落とされがちな要素」についてのお話です。

意外と見落とされがちな特徴?周りに好かれる子どもは「一緒に居て楽しい」と評判が高い

子どもの頃、クラスに一人は居た人気者。彼らは得るべくしてその地位を勝ち取ったのか?それとも…

小学生を対象にした調査結果!子どものコミュニティでは「一緒に居て楽しいかどうか」が重視されるかも

2020年にフロリダ・アトランティック大学が発表した研究(#1)によると、子どものコミュニティでは「一緒に居て楽しかどうか?」で人気者や好かれる子どもが分かる!という面白いことが分かりました。

この研究では2つの調査を行っていまして、コロンビア北部とフロリダ南部の学校を舞台に、それぞれ611名、659名の生徒(9~12歳、4~6年生)を対象にしていました。調査の内容はシンプルで、彼らに彼ら自身のことではなく、周りの生徒たちのことについて以下のようなことを尋ねたらしい。

  • 一緒に居て楽しい生徒って?
  • クラスや学校で人気者、みんなから好かれている生徒って?

そしてこれらの調査結果をまとめると、以下のようなことが分かりました。

結果
  • 一緒に居て楽しいと高く評価された生徒は、より多くの周りの生徒に好かれ、人気者であると評判だった
  • また、みんなに好かれていたり人気者だとされる生徒は、一緒に居て面白いと評価されやすい傾向にあった

まとめると、周りのクラスメイトたちから好かれていたり、支持を得ている子どもほど、「一緒に居て楽しい」という評価が高かったんですね。言われてみれば当たり前ですが、私の勝手なイメージでは、みんなを笑わせられるひょうきんな子どもが一番人気者になりそうだなと思っておりました。

また、こうした結果は子どもの他の性格特性の影響を考慮したうえでも変わらなかったみたいです。例えば、魅力や運動神経、自己主張ができる、リーダーシップがあるといった、いかにも好かれそうな性質を差し置いても、「一緒に居て楽しいかどうか?」は仲間からの支持を得るのには大事だった!ということになります。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • 調査はアメリカの一部地域のみ: 国や文化の特色によって価値観は変わるので、他の地域でも同様の結果になるかは分からない
  • 因果関係を裏付けるものではない: RCTのような実験デザインではないので、一緒に居て楽しいという評判がみんなから好かれるという結果に直結しているという裏付けはできない

今回の調査は、セルフレポートではなく周りの子どもたちからデータを集めた分、客観性が高いのがナイスなポイントでした。今後はいろいろな地域で追試が行われていくとなお良しですね。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 子どものコミュニティでみんなから好かれるには「一緒に居て楽しかどうか?」がかなり大事みたいだ
  • 小学校高学年の子どもたちを対象にした調査によると、一緒に居て楽しいと思われている生徒はより多くの生徒に好かれ、人気者であることが判明。また、こうした人気者ほど一緒に居て楽しいと評価されやすいことも判明。
  • こうした傾向は、他の性格要素の影響を考慮しても変わらず確認された(魅力、強い信念、リーダーシップなど)

赤羽(Akabane)

言われてみると、確かに!と思える結果でした。周りの友達に好かれるには、必ずしも笑いのセンスがある必要はなく、ただその人にとって「一緒に居て楽しい存在」であればいいのだ、と。勉強になりました…。

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参考文献&引用

#1 Laursen, B, Altman, RL, Bukowski, WM, Wei, L. Being fun: An overlooked indicator of childhood social status. Journal of Personality. 2020; 88: 993– 1006. https://doi.org/10.1111/jopy.12546