朝食を毎日抜くと脳卒中で死ぬリスクが高まる！はどこまで信じていいのか？

赤羽(Akabane)

今回は「朝食を毎日抜くと脳卒中で死ぬリスクが高まる！」という研究結果について詳しく見ていきます。

朝食は食べたほうがいい？抜いても大丈夫？問題

朝食と言えば「食べるべき？食べなくてもいい？」みたいな論争がずっと続いているわけです。この前は「朝食って食べないと本当に太るの？」という視点から一つ結論が出まして、

このように落ち着きました。元のデータも過去最高級で、現時点一番信頼性が高い内容なんではないかと思います。詳しくは以下をザっとご覧ください。

といったところ、今回はつい最近発表された朝食に関する衝撃の研究についてあれこれ見ていきたいと思います。これは2019年にJournal of the American College of Cardiology(JACC)に掲載された研究(#1)でして、結論だけ言うと、

結果

という結果になっているんですね。朝食食べる？食べない？問題には当ブログでも過去に何回か触れているので、今回の結果は個人的にもかなり気になるトピック。

ということでまず研究内容をざっくり覗いてみると、

こんな感じで、よくある観察研究といった印象でしょうか。ちなみに参加者らの朝食の習慣は、

こんな内訳だった様子。朝食を食べる習慣はやはり根強いんで、毎日食べる人が大半ですね。

そして17~23年もの追跡期間中に2318名が亡くなり、そのうち619名が心疾患による死だったとのこと。では朝食の習慣がこれにどれだけ関与していたかと言うと、

結果

(#1)より引用、編集。

このような結果に。確かに朝食を完全に抜いた場合には毎日食べる場合と比べて脳卒中のリスクがかなり高まっております。しかもこれは年齢や性別、経済的影響、食事やライフスタイルといった他要素もしっかり調整しての結果とのことで、この点ではいくらかデータの信頼度も増すんではないかと。

ただし一方、この研究を見る上で注意点も幾つかありまして、

注意

この辺りは把握しておいたほうがよろしいかと。こうしてみると、どれも結果に致命的な影響を与えかねない問題ですね。ザッと影響を並べてみても、

注意

このように大きなインパクトがあると考えられます。最初の問題点は前に紹介した「週3~4個の卵は早死にと心疾患リスクを高める！」の研究でも問題に挙がった案件でして、いかに食事内容の影響を調整しようと元データの信頼性が低ければ意味がないという主張です。

ということでザッと私の見解をまとめると、

ポイント

というごく当たり前な結論になりました。健康はトータルで考えたほうがよいのが自然な考えでしょうし、朝食抜きと脳卒中リスクに因果関係も見られないので、個人的にはそれ程怖い結果だとも思っておりません！

赤羽(Akabane)

私はプチ断食の「リーンゲインズ」をもうしばらく継続しようと思っているので、引き続き朝食時間はブラックコーヒーかお茶になりそうです。朝食は食べるか食べないかよりも、食べるものを意識してみるとよろしいかと思います。

#1 Shuang Rong, Linda G. Snetselaar, Guifeng Xu, Yangbo Sun, Buyun Liu, Robert B. Wallace and Wei Bao,”Association of Skipping Breakfast With Cardiovascular and All-Cause Mortality“,Journal of the American College of Cardiology,Volume 73, Issue 16, April 2019.