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ココアフラバノールの健康効果
ココアフラボノール(フラバン-3-オール、flavan-3-ol)について、簡単に3行で説明するとこんな感じになります。
- ポリフェノールの一種
- 体のサビを取り除いてくれる抗酸化物質
- 緑茶やココアのカテキンなどが含まれる
他にもハイカカオチョコレートにも豊富でして、近年で高カカオチョコが健康食品化している大きな理由であります。
大規模で信頼性の高い研究によると…
といったところで、今回は「ハイカカオって言うけど、実際どのくらい健康なの?」という疑問について。参考になるのが2016年にブラウン大学が発表したメタ分析(信頼性の高い研究方法)(#1)でして、ココアフラバノールを摂取することは糖尿病の予防につながり、循環代謝系の多くの機能が改善したとのこと。ザっと中身を覗いてみると、
- 19のRCTを選出
- 総参加者は1131人、30~71歳
- 追跡期間は2~52週間(最大約1年)
こんな様子。ちなみにココアフラバノールの摂取方法は何でもよかったようで、摂取量は一日当たり166mg~2110mgとのこと。急にココアフラバノール摂取量、なんて言われてもピンとこない!という方には、参考までに「高ポリフェノール」と謳われている市販チョコたちを食レポした記事をご覧ください。
ということでなかなか信頼性の高い内容ですが、結果はと言うと、
- インスリン感受性が高まった(糖尿病リスク低下)
- 体内の脂質に関する項目が改善した(動脈硬化、脂肪肝リスク低下)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)の濃度が高まった(心臓疾患リスク低下)
- 増えると体に良くない物質が減った(トリアシルグリセロール、C-反応性タンパク)
- 体内の炎症反応を減らした(老化やがんのリスク低下)
このようになりました。簡単に言うと、心疾患や糖尿病といったメジャーな生活習慣病のリスクがかなり下がったんですね。ちなみにココアフラバノール摂取量別に得られた効果を見てみると、
空腹時の血糖値を下げてインスリン感受性も改善
空腹時の血糖値、インスリンの項目も改善
トリアシルグリセロール(中性脂肪)が減った
こうなりました。なるべく多めに摂ったほうが結果が出ているのが分かります。
市販のチョコとかってどーなの??
ということで高カカオなチョコは心疾患や糖尿病予防にオススメできそう、なんですがチョコ選びの際には“砂糖”に気を付けましょう。
というのも、砂糖は中性脂肪の原因になりますし、最近の研究では、砂糖の摂りすぎが精神障害に繋がる可能性が高いなんていう報告も上がっていたり。そしてこの砂糖が市販のほぼ全てのチョコに入っているので、くれぐれも食べすぎにはお気を付け下さい。
「砂糖は糖尿病のリスクを高める」が、具体的にどのくらい危ないのか?【甘党閲覧注意!】甘いものや飲み物から砂糖を摂りすぎると精神障害になるリスクが高くなる?!参考文献&引用
#1 Xiaochen Lin,Isabel Zhang,Alina Li,JoAnn E Manson,Howard D Sesso,Lu Wang,Simin Liu,”Cocoa Flavanol Intake and Biomarkers for Cardiometabolic Health :A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials“,The Journal of Nutrition,Vol.146,No.11,pp2325-2333,2016.
#Wikipediaさんの「フラバノール」の説明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%B3-3-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB (2018年2月28日アクセス)
#Wikipediaさんの「トリアシルグリセロール」の説明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB#%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF(2018年2月28日アクセス)
#Wikipediaさんの「C反応性蛋白」の説明
https://ja.wikipedia.org/wiki/C%E5%8F%8D%E5%BF%9C%E6%80%A7%E8%9B%8B%E7%99%BD
(2018年2月28日アクセス)