【ココナッツ vs. オリーブ vs. バター】コレステロール値や体脂肪を最も増やすのはどれ？

赤羽(Akabane)

今回は「オイルや脂肪の種類別にみたコレステロールや体脂肪への影響」についてのお話です。

【ココナッツオイル vs. オリーブオイル vs. バター】コレステロール値や体脂肪を最も増やすのはどれ？

早速ですが、この問題について参考になるデータを見ていきましょう。

ココナッツ vs. オリーブ vs. バター！脂肪の成分が違うと健康への影響はどう違う？

2018年にケンブリッジ大学医学部が発表したRCT(#1)では、イギリスに住む91名の健康な成人男女(50~75歳)を対象に、彼らをランダムに次のようなグループ分ける実験を行いました。

ココナッツ(28名)：エキストラバージンココナッツオイルを一日50g、普段の食事で摂っている脂肪と置き換えるように指示された
オリーブ(30名)：エキストラバージンオリーブオイルを一日50g、普段の食事で摂っている脂肪と置き換えるように指示された
バター(33名)：バターを一日50g、普段の食事で摂っている脂肪と置き換えるように指示された

そして参加者には各グループで4週間を過ごしてもらって、実験前後で悪玉コレステロール(LDL)などのコレステロール、体重などの体組成といったあらゆる心疾患リスク要素を測定したようです。

するとこの結果、こんなことが分かりました。

結果

バターはココナッツやオリーブと比べてLDLが有意に増加していた(vs.ココナッツ：+0.42 mmol/L; vs.オリーブ：+0.38 mmol/L)
ココナッツオイルはバターやオリーブと比べてHDLが有意に増加していた(vs.バター：+0.18 mmol/L; vs.オリーブ：+0.16 mmol/L)
バターはココナッツやオリーブと比べてコレステロール/HDL比が有意に増加していた(vs.ココナッツ：+0.36; vs.オリーブ：+0.22)
ココナッツオイルはオリーブと比べてC反応性たんぱく質(CRP)が有意に減少していた(−0.58 mg/L)
体重、BMI、体脂肪、空腹時血糖値、上下の血圧にはグループ間で有意な差はなかった

まとめると、バターはココナッツやオリーブよりも体内の脂質プロファイルなどをはじめ色々な数値を悪化させていて、ココナッツとオリーブで比べるとお互いどっこいどっこいで数値によって改善効果が高いモノが違っていたんですね。

この結果はこれまでの常識を考えるとなかなか驚くべきもので、ココナッツもバターも飽和脂肪酸が豊富なのに、どうしてこんなに効果が変わるんだろう？と。飽和脂肪酸はLDLなどコレステロール値を悪化させて、心疾患や脳血管疾患のリスクを高める！と言われていましたが、近年では「言われてる程じゃないんでは？」という考えが優勢です。