赤羽(Akabane)
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便秘やお通じの改善にはコーヒーがコスパ最強かもしれない
コーヒーの健康効果はここ十数年で見直されてきていて、すっかり健康食品の仲間入りを果たしていますが、今度は「便通の改善にも効くぞ!」という信頼性高めなデータを紹介します。
コーヒーを飲めば便通も善くなる!というメタ分析
2018年にコンケン大学が発表したメタ分析(#1)によると、コーヒーには腹部手術後に低下した消化器官の機能を改善する効果があることが分かったようです。
この研究は6件のRCTを集めて、計601名を対象にした総まとめ的な内容になっていて、各実験では帝王切開や大腸、婦人科がんなどの腹部手術を受けた対象者を、以下のようなグループに分ける実験を行っていました。
- コーヒー vs. デカフェコーヒー vs. お湯
- デカフェコーヒー vs. お湯
- コーヒー vs. 何も飲まない
- コーヒー vs. チューインガム vs. お湯
そして対象者らの術後最初の排便、おなら、お腹のギュルギュル音、固形物の耐容、退院までの期間といった項目をチェックして、グループ間で比較するという流れです。
するとこの結果、以下のようなことが分かったようです。
- 最初の排便までの時間が9.98時間早まった(95% CI, -16.97 ~ -2.99)
- 最初のおならまでの時間が7.14時間早まった(95% CI, -7.88 ~ -0.47)
- 退院までの期間が0.74日早まった(95% CI, -1.14 ~ -0.33)
- 最初のお腹のギュルギュル音までの時間が4.17時間早まった(95% CI, -7.88 ~ -0.47)
- 固形物に対する耐性がつくまでの時間が15.55時間早まった(95% CI, -22.83 ~ -8.27)
まとめると、術後にコーヒーを飲むだけで術後に弱った消化器官の機能が軒並み改善して、退院までの期間もやや短縮されたんですね。しかも特に副作用は報告されなかったみたいです。
コーヒーの便通改善効果については兼ねてから言われていて、飲んでからほんの数分で大腸を刺激して動きを促す効果があることが分かっています。
ただこうした効果にカフェインが関係しているのかどうか?はまだ際どくて、現にデカフェのコーヒーの便通改善効果については結果が割れているようでした。
注意点・まとめ
今回の研究にも幾つか注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 研究数やサンプルサイズは小さい:含まれた研究は6件で参加者数が少ないので、どんな手術だと効果が高いのか?など細かい部分は明らかではない
- 対象はあくまで腹部術後の患者のみ:コーヒーの便通改善効果は根拠になるメカニズムもあるが、普通に便秘気味な人などでどのくらい効果があるかは分からない
- 施行バイアスの可能性がある:患者らのグループ分けや実験の意図は彼らに隠せなかったため、こうした内事情を知っている分結果にバイアスがかかりやすい
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- コーヒーには腸の動きを促して便通を善くする働きがあることが分かっている
- 今回のメタ分析では、腹部手術後の患者の便通を早めて腸の機能を改善する効果が確認された
- コーヒーはコスパの良い便秘改善アイテムになってくれそうだ
こんな感じでしょうか。コーヒーはコスパも良いですし、腹部術後の便通や腸の機能改善にはもってこいですね。
赤羽(Akabane)
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#1 Nuntasiri Eamudomkarn et al. Effect of postoperative coffee consumption on gastrointestinal function after abdominal surgery: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Sci Rep, 8 (1), 17349.