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不摂生な食生活が万病のもと「慢性炎症」を引き起こす
食生活は私たちの人生を大きく左右します。普段何気なく口にしている食べ物の積み重ねによっても体へのダメージは変わってきます。実際に「万病を引き起こす慢性炎症は不摂生な食生活によっても起きる」ということが分かっているので、健康長寿を目指すには最優先で気を付けるべき事案であります。
では具体的にどう気を付けたらいいのでしょうか?そこで今回は、昨今の研究で頻繁に使われている便利な食生活パラメーターを紹介していきます。
万病のもと&アンチエイジングの天敵「慢性炎症」とは?メカニズムと原因を徹底解明。炎症の度合いを数値化!DII(食事による炎症指数)でエイジング管理。
まずは2014年の南カロライナ大学の研究(#1)から、簡単なDIIについての説明です。
DII(Dietary Inflammatory Index)は食事による体内の炎症レベルを指数化したものであり、45の食品の項目に基づいて算出される。IL-1B, IL-6,TNF-α, CRPといった炎症のサインが体内で増える食事は+1、逆に減らす食事は-1ポイントとなっており、最終的なポイントが低いほど炎症レベルが低く健康的である。[筆者訳]
難しい用語が出てきましたが、要はこいつらが増えると体内で慢性炎症が起こっているサインになるんですね。ではどんな食品がおススメされているかというと、
- ◎マクロビダイエット食品(DII= -5.54)
- ○地中海式ダイエット食品(DII= -3.98)
- ×ファストフード食品(DII= +4.07)
大まかにこんな様子。つまり、野菜や穀物が中心で魚や海藻、良質な油が豊富な食事がDIIを最も改善してくれたんですね。そして逆にファストフードは避けるべきだと。
こうしてみるとマクロビダイエット最強!に見えますが、個人的にはマクロビダイエットはおススメしません。簡単にいうと栄養のバランスが偏っているからです。(記事は今後追加予定)
赤羽(Akabane)
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最後にDIIがいかに正確な数字なのか、というのを紹介して締めくくりになります。2017年のメタ分析(#2)によると、DII値が高い食事を続けるほど総死亡リスクや心臓疾患リスクが高まったようです。具体的にどのくらいリスクが上がるのかというと、
DIIが最大値 VS 最小値グループ
- 総死亡リスクが22%アップ
- 心臓疾患による死亡リスクが24%アップ
- 心臓疾患発症リスクが32%アップ
- がんによる死亡リスクが28%アップ
このくらいです。軒並み慢性病発症リスクと死亡リスクが高まっておりまして、普段の食生活も侮れないなと痛感します。健康長寿目指すには、まずDIIを参考に食事を見直してみると良きですね。基本的には地中海式ダイエットのガイドラインを守って加工食品を控えめにしていれば問題ないでしょう。
食事による「炎症」がどのくらいか教えてくれる健康アプリ『DII Screener』をインストールしてみた。【評判、感想】
参考文献&引用
#1 Susan E. Steck,Nitin Shivappa,Fred K. Tabung,Brook E. Harmon,Michael D. Wirth,Thomas G. Hurley,James R. Hebert,”The Dietary Inflammatory Index: A New Tool for Assessing Diet Quality Based on Inflammatory Potential“,Volume 49, Number 3,2014.
#2 Zhong X, Guo L, Zhang L, Li Y, He R, Cheng G,”Inflammatory potential of diet and risk of cardivascular disease of mortality:A meta-analysis“,Sci Rep. 2017 Jul 25;7(1):6367.