エビデンスベースドのすべて

メタ分析 RCT 観察研究 エビデンス

赤羽(Akabane)

今回は当サイトの大事なポイント「エビデンスベースド」についておさらいします。

エビデンスベースドとは?

まず「エビデンスベースドって何?」という点。これは直訳で、科学的な根拠に基づくという意味です。だから当サイトでは、毎記事参考にした論文など参考文献をしっかり明記するように心がけています。

ちなみに今回の参考文献はこの一冊。統計手法やエビデンスの読み方がとても分かり易く書いてあって素敵な本でした。興味がある方は是非。

エビデンスのランキング

次にエビデンスにはランキングがありますよ!というお話です。ザっと見てみると次のような感じになります。

メタ分析 RCT 観察研究 エビデンス

※筆者が作成。

ランクのトップに君臨するのが「メタ分析」で、これは関連する過去の研究を総まとめして全体の効果や結果を算出する研究手法です。ザックリしたイメージは..

メタ分析

※筆者が作成。

こんな感じ。中でも、単体の研究では最高品質の「RCT(ランダム化比較試験)」を集めたメタ分析が最高峰。次点で観察研究などを集めたメタ分析、と続きます。

動物実験や生体外実験のランクが低い理由は、ヒトでも同じ結果が得られるか?が分からないからです。ただこの手の実験には強みもありまして、ヒトを対象にすると倫理的問題に引っかかるようなテーマでも扱うことができます。なのでまだまだ発展段階のテーマは、とりあえず動物&生体外実験からスタートする場合がほとんどです。

最後に「専門家の意見」が最下位にランクインしている点が気になるかと思います。これはそもそも参考文献がハッキリしていないのが主な理由ですが、人間の認知バイアスもかなり影響しています。例えば、自分の主張に都合の良いデータばかり集めがちな「確証バイアス」が有名でしょうか。とにかく専門家の意見でも主観が多すぎるので、エビデンスベースドの観点からは微妙だ、と。

赤羽(Akabane)

以上をまとめると、より信頼できる研究結果を得るならまず「メタ分析」を中心に情報を集めるのがベター!です。そこから細かい部分を知るために「RCT」や「観察研究」といった単一の研究を探っていく流れが良さそう。いかんせんネットで出回っている情報には出元が分からないモノが多すぎるので、こういったものはまず疑ってかかる姿勢が大事ですね。
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