運動でメンタルが良くなるメカニズムを調べてみたら、5つの要因が浮かび上がった件。

2019年6月10日その他エクササイズ, その他ストレス対策, 体の仕組み, 考察編

運動で不安が改善する!は科学のお墨付きだが、どのようにして効いているの?

運動 不安 ストレス

運動で不安が解消するのは有名な話で、その効果は単純な比較でメンタル療法の鉄板「認知行動療法」にも引けをとらないのだとか。
 
 
更に運動の種類に関しては特に差はないようで、ランニングでもヨガでも筋トレでも同じように効果があることが分かっています。ですので運動はひとまず自分にあった形でよろしいかと思います。

では運動はどのようにして不安に効いているのか?

といったところで、「不安を感じるならとりあえず動こう!」と結論が出て終わってしまいそうですが、今回は一応「運動ってどうやって不安に効いてるの?」という部分に触れておこうと思います。
 
 
この問題について参考になるのが、1991年にアメリカの有名大の教授らが発表したメタ分析(#1)です。
 
 
まずこの研究結果でも、運動が不安に小~中くらい効く!との報告が上がっていますが、今回注目するのは不安解消のメカニズムの部分。これには具体的に5つの要因が考えられております。

体温の上昇

まず挙げられるのがこれ。体温を一時的に上げるとリラックス効果があるのは何となく分りやすいかと思います。理屈としてはサウナや温泉と同じ原理。
 

内臓機能への刺激

運動による体への刺激で、末端から中心へ神経を介して影響を与えるというもの。実際に、運動によって循環器系の機能が高まって、体温が高まったりすることも分かっていたりします。
 
 
他にも脳の細胞や神経にも刺激を与えて活性化させるからだという説もあったり。実際に「運動で頭が良くなる!」なんて研究もありますね。
 

ホメオスタシス

お次は「脳のセットポイント理論」でも紹介したホメオスタシス。これは日本語でいうと「恒常性」でして、つまり“変化を嫌う性質”のこと。
 
 
人は体温が上がれば元通りに下げようとしますし、新しいことに挑戦するのが面倒に感じるのもコレだと言われております。今回の運動でいうと、運動のストレスをまず体が感知します。するとそれを相殺しようと快楽ホルモン「エンドルフィン」を分泌させるという流れです。これが結果としてメンタル改善に繋がる、と。
 

気晴らし理論

ここまでは割と生理的なお話でしたが、次は心理的なお話です。簡単に言うと、運動に集中していればその時間は悩みや心配事を考えなくて済むから!ということ。仕事が終わって夜ランニングをするとなぜか気晴らしになる、というのは何となく分かり易いかと。
 

その他心理的な要因

他には認知の歪み(錯覚)なんかも挙げられていたりします。これは、最初は辛くて大変な出来事も、時間をこなすことで徐々に「あれ、案外楽しいんじゃない…?」と思えてくる現象です。
 
 
かく言う私も筋トレを半年続けたあたりから何故かワクワクしてくるという摩訶不思議な心境になっておりました。つまり本当は嫌な体験を脳が脚色して、あたかも楽しいように思いこませるんですね。
 
 
最後は、この手の研究でまず出てくる「自己効力感」というもの。一言でいうと「自分なら目の前の困難な状況を乗り越えられる!」という確信のようなもので、これが運動を通して鍛えられるんだという見解。例えばキツい筋トレを乗り越えた後には、「自分はあんなにキツイトレーニングを乗り越えたんだ」と少しずつ効力感が増していくでしょう。

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赤羽(Akabane)

色々挙げてきましたが、運動は複雑なメカニズムでメンタルに効いているんですね。運動をされる方はランニングをしながら「エンドルフィンが脳内を駆け巡っている!」みたいな想像を膨らませてみても面白いかもしれません(笑)

参考文献&引用

#1 Petruzzello SJ, Landers DM, Hatfield BD, Kubitz KA, Salazar W,”A meta-analysis on the anxiety- reducing effects of acute and chronic exercise. Outcomes and Mechanisms“,Sports Med. 1991 Mar;11(3):143-82.