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ココアや緑茶のポリフェノールは健康にいい
ココアや緑茶といえばTVでもすっかりおなじみの健康食品。何が健康なのか?というと、決まって紹介されるのは豊富に含まれる「ポリフェノール」。これは簡単に言うと、植物由来の抗酸化物質のことでして、体が老化するのを抑えてくれてアンチエイジング効果も見込める優れものなんですね。
そんなポリフェノールの具体例を挙げると、
- 緑茶..エピカテキン、エピガロカテキンガレート(EGCG)
- ブルーベリー..アントシアニン、レスベラトロール
- 大豆..イソフラボン
ザっとこんな感じで、よく聞く名前も結構あるのではないかと思います。緑茶やココアのカテキン類は、あの渋みのもとになっているタンニンの主成分になります。
ちなみにお茶を製造する工程で、加熱処理を行うと一部形が変化しまして、
- エピカテキン⇒カテキン
- エピガロカテキン⇒ガロカテキン
- エピカテキンガレート⇒カテキンガレート
- エピガロカテキンガレート⇒ガロカテキンガレート
このように変化するみたい。つまりよく聞くカテキンというのは、厳密に言うとエピカテキンが変化したものなんですね。
エピカテキンとココアフラバノール摂取と脳の認知機能の関係を調べた研究
といったところで、今回はお茶やココアのポリフェノールは脳に効くの?という問題について。参考になるのがコロンビア大学の教授らが2014年に行ったRCT(ランダム化比較実験)研究(#1)。ザっと中身を覗いてみると、
- 総参加者は37人の男女
- 年齢層は50~69歳の高齢者
- 実験期間は3ヵ月、参加者を4つのグループに分けた
・フラバノール少量×エアロビクスやる(9人)
・フラバノール多量×エアロビクスやらない(11人)
・フラバノール少量×エアロビクスやらない(9人)
*多量:ココアフラバノール900mg、エピカテキン138mg/日
*少量:ココアフラバノール10mg、エピカテキン2mg/日
こんな内容。因みにサンガリアの「あなたのお茶」で一本200mgの天然緑茶カテキン(ポリフェノールの一種)が含まれています。つまり単純比較だとこれ一本で「多量」の扱い。
そしてエアロビクスは週4時間、1日1時間行ったようで、すると結果は、
- 1の認知テストではフラバノール多量グループが好成績をおさめた
- 2の認知テストではグループ間の違いはなかった
- フラバノール多量グループ間で脳の海馬の血流が増していた
- エアロビクスの有無では変化がなかった
こんな感じに。まとめると、フラバノールを多く摂取したグループではその後の認知機能の向上が見られて、脳の海馬の一部である歯状回や海馬台で血流も盛んに流れていたみたいです。これについて研究チームは、
fMRIで見られた海馬周辺の血流が良くなったことが認知テストの成績に好影響をもたらしたのかもしれない。[筆者訳]
とのこと。運動が脳に良いのは間違いないんで、エアロビクスの影響も多少はあるかと思いますが、ポリフェノールも脳を若返らせてくれる可能性はありそう。
赤羽(Akabane)
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# Adam M Brickman , Usman A Khan , Frank A Provenzano, Lok-Kin Yeung, Wendy Suzuki, Hagen Schroeter, Meianie Wall, Richard P Sloan, Scott A Small,”Enhancing dantate gyrus function with dietary flavanols improves cognition in older adults“,Nature Neuroscience,Vol.17,No.12,pp1798-1803,2014.
# お茶百科「お茶の成分と健康性 カテキン」
http://www.ocha.tv/components_and_health/benefits_greentea/catechin/「2018年3月13日アクセス」
# Wikipedia「海馬」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E9%A6%AC_(%E8%84%B3)「2018年3月13日アクセス」