赤羽(Akabane)
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HIITを習慣にすれば食事も健康的になるかも!という研究結果
HIITとは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、文字通りスプリントやサイクリングなど高強度のトレーニングを短い間隔で繰り返す運動のことです。
短時間でサクッと追い込めると人気でして、すっかり近年のトレンドですが、この記事ではHIITと食生活の改善に関するデータを見ていきます。
9週間のHIITで食生活も健康的に?
2020年にウルビーノ大学が発表した研究(#1)によると、HIITを習慣にすることで食生活まで健康意識が高まるようです。
この研究では32名の健康な若者(平均22.6歳)を対象に、9週間で全36回のHIITプログラムをこなしてもらう実験を行いました。具体的には、以下の3サイクルに分けて行われました。
- 前期(3週間):週3回で1セッションあたり55分
- 中期(3週間):週4回で1セッションあたり60分
- 後期(3週間):週5回で1セッションあたり70分
HIITの内容はサイクリングで、徐々に週あたりのペースと時間が増えていくように設定されています。
実験期間中は普段通りの食事で過ごしてもらいつつ、食事の内容を毎晩チェックして、総エネルギー量や3大栄養素、微量栄養素の摂取量の変化を見ていったようです。また実験前後と各サイクルの後で体組成測定も行いました。
するとこの結果、以下のようなことが分かりました。
- 総エネルギー量が増えていて、三大栄養素の摂取割合はそれぞれ炭水化物49.6%、脂質33.1%、たんぱく質17.6%だった(実験前比: +17.8%)
- 3大栄養素の量が軒並み増加、特にたんぱく質の量は実験が進むごとに増えていた(実験前比: +18.5%)
- 脂質では多価不飽和脂肪酸(オメガ3や6)の摂取量が特に増加、食事のGI値(食後に血糖値を高めるスピードを表す数値)は減少、鉄やビタミンAやC、食物繊維の摂取量も増加していた
ここから言えるのは、HIITプログラムをこなすごとに栄養バランスが改善されて食生活が健康的になった!ということです。激しい運動をするようになって、特に女性の食べる量がかなり増えていました。(実験前1121kcal/日→実験後1531kcal/日) 元々のカロリーが少ない分、食べる量が増えてようやく健康的な感じになっていますね。
HIITに食生活を改善する直接的なメカニズムがあるわけではなさそうですが、運動によって目標ができれば、その達成に向けて食生活を見直そうとする姿勢が生まれるんじゃないか?と考えられています。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- HIITは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、時短しつつサクッと追い込めるので人気な運動
- 9週間のHIITプログラムをこなすうちに、総エネルギー量が増加したり繊維やオメガ3、ビタミンAやC、鉄などの栄養素も増えていた
- HIITを習慣にすれば健康的な食生活を心がけるようになれるのかもしれない
こんな感じでしょうか。HIIT自体も時短で良い運動になりますし、副産物的に食生活まで改善してくれるかも!と。
赤羽(Akabane)
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#1 Sabrina Donati Zeppa, et al. High-intensity Interval Training Promotes the Shift to a Health-Supporting Dietary Pattern in Young Adults. Nutrients 2020, 12(3), 843.