【ケトジェニックvs.低脂肪ダイエット!】糖質と脂肪を減らすのでは体にどんな違いが出るの?

その他ダイエット, 栄養成分、物質, 考察編

超糖質制限なケトジェニックと低脂肪ダイエット、減らす栄養素で体への効果はどう違う?

ケトジェニック 低脂肪ダイエット 痩せる

今回は「ケトジェニックダイエットvs.低脂肪ダイエット」についてのお話です。
 
 
まず本題の前に、それぞれのダイエットの一般的な定義をハッキリさせておきましょう。

 

  • ケトジェニックダイエット…1日に50gまで、もしくは総摂取カロリーの10%までの炭水化物を摂るダイエット(#1)
  • 低脂肪ダイエット…脂肪の摂取量を1日の総摂取カロリーの30%までに制限するダイエット(#1)

 

ケトジェニックはかなり厳しい糖質制限なのが伺えますね。下手すると大体菓子パン1袋で1日の基準に達してしまいそう。正に「超糖質制限」です。
 
 
一方で低脂肪ダイエットは思いのほか緩め。これは1日2000kcal摂るとしたら600kcalまでを脂肪から摂っていいということです。
 
 
脂肪は1g当たり9kcalなので、置き換えると1日65gくらいまで。脂肪分が多いお肉なんかを食べ過ぎなければ超えることも無さそうです。

ケトジェニックvs.低脂肪ダイエット!で体型や生活習慣病マーカーを調べたメタ分析

ではここからが本題です。「ケトジェニックと低脂肪だと制限する栄養が違うけど、体への効果はどう違うの?」という疑問について。
 
 
参考になるのが、2013年にアラゴアス連邦大学が発表したメタ分析(#1)で、過去に発表された13件のRCTから1577名を対象にしたもの。
 
 
各実験のデザインは、まず参加者らを次の2グループにランダムで分けます。
 

  • ケトジェニックグループ(790名)
  • 低脂肪グループ(787名)

 
そして各グループの食事を、実験期間1~2年間で続けてもらいました。この手の比較実験では十分長い期間であります。
 
 
で実験前後で体型や血圧、コレステロール値など各種を計測して、各ダイエットで結果を比べたんですね。
 
 
するとこの結果は、

 

ケトジェニックは低脂肪ダイエットよりも...
  • 減量効果があった(−0·91 (95% CI − 1·65, − 0·17) kg)
  • 中性脂肪も有意に減った (−0·18 (95 % CI − 0·27, − 0·08)mmol/l)
  • 収縮期(下)の血圧も有意に減った(−1·43 (95 % CI − 2·49, − 0·37) mmHg)
  • 善玉コレステロール(HDL)が増えた(+0·09 (95 % CI 0·06, 0·12) mmol/l)
  • 悪玉コレステロール(LDL)が増えた(+0·12 (95 % CI 0·04, 0·2) mmol/l)
 
グループ間で有意差がなかったもの
  • 空腹時血糖値
  • インスリン
  • 拡張期(上)の血圧
  • HbA1c(血中のヘモグロビンが糖と結びついたもの)値
  • CRP(C反応性たんぱく質という炎症のサイン)
 

どうやらケトジェニックは低脂肪より減量効果、下の血圧改善効果、中性脂肪を減らす効果などがみられた模様。これはケトジェニック支持派には嬉しいニュースではないでしょうか。
 
 
ただし詳しい調査ではこんなことも分かっていて、

 

  • 2年間調査した4件のRCTのみで見ると、HDLの増加効果以外の有意差がほとんど見られなくなった

 

つまり、ケトジェニックの減量&健康効果は1年くらいの短い期間で出やすいけれど、長期になると低脂肪と大して変わらなかったんですね。
 
 
ちなみにこうした結果は2014年のメタ分析(#2)でも出ていて、糖質制限と低脂肪だと、6か月くらいまでは糖質制限の減量効果が僅かに有利だったが、1年で見ると差がほとんどなくなった!という報告が上がっています。ハッキリした期間は断定できませんが、やはり短期間でしか優れた効果は無さそう。
 
 
また、よく見るとケトジェニックではLDL値が増えていて、これはよろしくない結果です。原因については、恐らく炭水化物の代わりに脂肪からカロリーを多量に摂らなければいけなかったからだと推測されてますが、ここはハッキリせず。
 
 
ということで今回の結論をまとめます。

 

ポイント
  • ケトジェニックも低脂肪も減量効果はある
  • ケトジェニックのほうが短期的に成果が出やすいかも
  • 今すぐ痩せたい!という人はケトジェニックを短期的にやってみても良さそう
 

この辺りを押さえておくとよろしいかと。ただ個人的には、こうした極端なダイエットはあくまで短期的にしておいたほうが身のためだと思います。
 
 
というのも、2018年のメタ分析(#3)では、1日の炭水化物摂取量が総カロリー量の50~55%(標準)と比べて、40%以下(過少)や70%以上(過剰)だと総死亡リスクが20%ほど高まることが分かっているからです。やはり炭水化物が足らないと体に負担をかけるんで、長期で行うのはオススメしません。

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赤羽(Akabane)

ケトジェニックはググってみるとやたら持ち上げられている感が強かったので、改めて文献を漁ってみました。長期の取り組みについてはハッキリしないものの、色々見てみると、やはり極端なダイエットはすべきではないですね。また食事で大事なのは栄養素の量だけでなく質も。詳しくは以下も併せてご覧いただくと良さそうです。

参考文献&引用

#1 Bueno NB, de Melo IS, de Oliveira SL, da Rocha Ataide T, “Very-low-carbohydrate ketogenic diet v. low-fat diet for long-term weight loss: a meta-analysis of randomised controlled trials” British Journal of Nutrition, Volume 110, Issue 7,14 October 2013 , pp. 1178-1187.

#2 Johnston BC, Kanters S, Bandayrel K, Wu P, Naji F, Siemieniuk RA, Ball GD, Busse JW, Thorlund K, Guyatt G, Jansen JP, Mills EJ,”Comparison of weight loss among named diet programs in overweight and obese adults : a meta-analysis.“,JAMA, Vol.312,No.9,pp923-933,2014.

#3 Sara B Seidelmann,Brian Claggett,Susan Cheng,Mir Henglin,Amil Shah,Lyn M Steffen,”Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospectivecohort study and meta-analysis“,LANCET PUBLIC HEALTH , VOLUME 3, ISSUE 9, PE419-E428, SEPTEMBER 01, 2018.