最新のメタ分析で「孤独」が総死亡リスクを22%も高める危険因子だと確定した件。

孤独が体に悪い!は科学的にも定説になりつつある。

「孤独」が想像以上に心身に害をもたらして死亡リスクが高まる、ということは当サイトでも過去に触れました。つまり孤独もアンチエイジングの大敵でありまして、早急に対策をしていかなければなりません。

とは言ったものの、まず「孤独ってどんなものよ?」という部分がはっきりしていません。実際に「孤独」と「社会的疎外感」をごちゃ混ぜにしている方は少なくないかと。これについては、2011年の孤独に関するメタ分析(#1)から定義をもらいます。

孤独とは、社会的な人間関係における理想と現実のギャップだとされる。孤独と社会的疎外はしばしば混同されがちだが、別物だ。後者は客観的な社会との距離感を指しているが、前者は社会との感覚的な距離感に基づいている。[筆者訳]

簡単に言うと、社会的疎外は出家したお坊さんのイメージですね。一方で孤独は友達が何人いようが感じる可能性がある、と。また、このようなことも仰っていました。

孤独は友達の数よりも友達の質と深く関わっているようだ。[筆者訳]

つまり「友達は量じゃなくて質!」という主張は、実は孤独という観点からは正しいのかもしれないと。

2018年の最新&信頼性高い研究でも同じ結果に。

孤独について分かったところで、今回の本題に入ります。参考は2018年に発表された最新のメタ分析(#2)です。まずは内容をザっと見てみましょう。

  • 35の研究から77220人が対象(32~103歳)
  • 12/35の研究は長期間(10年以上)追跡調査している
  • 性別、年齢、うつ病など他の要素も調整

全体的に研究の信頼度は高め。そして結果は以下のようになりました。

結果
  • 孤独な人は総死亡リスクが22%高まった
  • 性別で見ると、男性は44%、女性は26%高まっていた
  • この傾向は研究の質に関係なく表れた

結果、孤独はなかなかの危険因子である様子。いよいよ健康長寿を目指すためには孤独対策も視野に入れる必要が出てきました。ちなみに男性のほうが死亡リスクが高くなった原因について、研究者らは以下のように説明しています。

過去の研究でも、男性は孤独感をなかなか認めない傾向があった
→これが強い孤独感に繋がって、結果心身への悪影響も大きくなったのかも。
男女での孤独感への解釈の違い
→女性は全体の社会的ネットワークを見て判断する一方、男性はパートナーとの関係を見て判断することが多い傾向にあるという
→つまり未亡人になった時の悪影響が大きくなる

パートナーがいなくなった時にいつまでも引きずってしまうのは男性の場合が多い、というのはよく聞きますね。この辺りも今回の結果に関係しているのでは?と言っているわけです。

赤羽(Akabane)

ということで「孤独って思いのほか体に悪いぞ」というお話でした。詳しいメカニズムについては孤独の前回記事をご覧ください。ぼっちはぼっちでも寂しさを感じないぼっちになりましょう(笑)

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参考文献&引用

#1 Christopher M. Masi,Hsi-Yuan Chen,Louise C. Hawkley,John T. Cacioppo,”A Meta-Analysis of Interventions to Reduce Loneliness“,Pers Soc Psychol Rev. 2011 Aug; 15(3).

#2 Rico-Uribe LA, Caballero FF, Martín-María N, Cabello M, Ayuso-Mateos JL, Miret M,”Association of loneliness with all-cause mortality: A meta-analysis.“,PLoS One. 2018 Jan 4;13(1).