週55時間以上の長時間労働は心臓に悪い?最悪の場合死に至ることも..

2019年3月28日その他ストレス対策, 体の仕組み

健康と仕事の密接な関係

当ブログではアンチエイジングの重要なポイントとして仕事について触れております。これまでアップしたものだと、「うつ病になりやすい職業ランキング」や「自殺率の高い職業」なんかに言及していたり。

これというのも、仕事は学校にいる期間と比べても人生の中で大部分を占めているからでして、だからこそ仕事や職場はより慎重に選ぶ必要があるんですね。

長時間労働の健康被害

長時間労働 残業 健康

といったところで、今回は仕事の中でも長時間労働について重要なデータを共有したいと思います。これは2015年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの教授ら主体で行ったメタ分析(#1)でして、長時間労働と特定の疾患のリスクについての大規模な研究であります。ザっと内容を見ていきますと、
 

  • 合計25件の発表済み、未発表の観察研究を世界各国*から集めて精査
  • 長時間労働*と動脈性心臓病、脳卒中リスクの相関を調べた
  • 動脈性心臓病は603838名、脳卒中は528908名のデータが対象
  • 動脈性心臓病は平均8.5年間、脳卒中は平均7.2年間追跡
*対象国一覧
*長時間労働の定義
*調整する他の要素
 

といった具合。今回の定義だと長時間労働は一日9~11時間以上という計算になりますね。結果の見方としては、長時間労働をしている人たちと、一般的な労働時間の人たちの疾患リスクを比べるという流れです。追跡の結果、動脈性心臓病は4768名が発症、脳卒中には1722名が発症しました。これらを踏まえて結果を見ていきますと、

 

  • 長時間労働者で動脈性心臓病のリスクは13%高まった
  • 脳卒中のリスクは33%高まった
  • どちらも研究間で結果のバラつきは見られなかった

 

どうやら長時間労働をしている人はそうでない人より致命的な疾患のリスクがグンと高まるみたい。しかもこの結果はどの研究でも一貫しており、上で挙げた他の関係する要素(タバコ、アルコール、年齢とか)も考慮済みとのこと。

長時間労働が体に悪い理由はいくつか挙げられてまして、そのメカニズムについてはザっと以下のようなものがあります。
 

  1. 長期にわたる過度なストレス反応
  2. 運動不足
  3. 長時間労働者はそうでない人よりも病気を看過しがち
  4. 更にアルコール消費量が多くなりがち

 
この中ではストレスが最有力候補でしょうか。実際に過労による突然死の多くも発作だったりしますし。他には長時間労働は慢性的な運動不足にも繋がりますね。これは前回触れた「座りっぱなしは体に悪い!」をザっと見していただけるとわかりやすいかと思います。その他については「そういう傾向がある」程度に押さえておくとよろしいかと。

一方で当研究にもまだ課題はありまして、例えば労働時間はセルフレポート(参加者の自己申告)ですし、そもそも毎日の労働時間はいつも同じというわけではありません。この辺りのコントロールが緩いので、データとしての正確性は差っ引いて考えたほうが良さそう。

dummy
赤羽(Akabane)

まとめると、長時間労働は死に繋がる危険な疾患リスクを優位に高めてしまう可能性大。一日に9~11時間以上働いている方は要注意です。データの正確性はさておき、長時間労働が健康に良いとは全く考えられないですし、少なくとも体に悪いことは確からしいので、タバコやアルコールなんかと並んで見直すべき事案かと思います。

参考文献&引用

#1 Kivimaki M, Jokela M, Nyberg ST and more,”Long working hours and risk of coronary heart disease and stroke: a systematic review and meta-analysis of published and unpublished data for 603 838 individuals.“,Lancet.2015;386:1739–46.