そのドキドキは恋?吊り橋効果で好きな人を落とせる、は本当なのか検証。【恋愛心理学】 

2019年4月1日人間心理, 健全な人間関係を築く, 考察編

心理学用語「吊り橋効果」とは?

吊り橋

「吊り橋効果」のメカニズムを説明します。あなたは今画像のような下がスケスケに見える高い橋を渡っています。・・ドキドキしますね。では次に好きな人が目の前にいる状況を想像してみましょう。・・ドキドキしますね。ではこの二つの状況が重なるとどうなるでしょう?・・とてもドキドキしますね。

何が言いたいのかというと、橋の上のように高いところにいる時のドキドキ感と、恋をしているときのドキドキ感を脳がごちゃ混ぜにしてしまうことがあるという主張です。「吊り橋効果」とは、高所などドキドキする状況に恋愛対象になる人と一緒にいると、そのドキドキが目の前のその人に抱く気持ちなんだと脳が勘違いして恋に落ちてしまう現象だと言われています。
 


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「吊り橋効果」の元になった論文

課題
Pexels / Pixabay

1974年に発表された有名な研究(#1)があります。この研究の内容は次のようなかんじです。
 

  • 橋の上でインタビュアーが男性観光客に話しかけるというもの
  1. 妖艶な女性インタビュアーが男性観光客に話しかける
  2. 男性インタビュアーが男性観光客に話しかける
  • 男性観光客は計85人で年齢層は18~35歳、女性の連れはいなかった
  • 舞台は次の二つに分かれた
  1. 低い橋 およそ3mくらい、ガードレールで安全に舗装されてる
  2. 高い橋 およそ70mくらい、急流とごつごつの岩の上、手すりは低くてスリリング
  • インタビュアーは「心理学のクラスの実験で、魅力的な風景が創造的な表現にどう影響を与えるか調べてるの」と説明する
  • 協力してくれた観光客には簡単なアンケート、それから女性の絵が描かれた紙を渡してそれに基づいた短いドラマチックなストーリーを書くようお願いした
  • 「協力ありがとう、実はこの実験について詳しい話があるんだけど、良かったらここに連絡してね」と言って名前と連絡先を書いた紙を観光客に渡す

 
これが一連の流れです。架空の実験に協力してもらい、その後どのくらいの男性観光客が連絡をよこしてくれるのかを見たという感じですね。比較はインタビュアーの性別橋の高さです。結果は次のようになりました。

 

  • 低い橋では1/8の観光客が連絡してきた(16人中2人)
  • 高い橋では1/2の観光客が連絡してきた(18人中9人)
  • 男性のインタビュアーではどちらの橋でも連絡は少なかった

 

つまり、より高くてドキドキするような状況では、より多くの男性が女性インタビュアーに連絡をしたのです。橋の上でのドキドキを恋心だと脳が勘違いした結果、こんなことが起こったのかもしれません。
 

 

ただ、疑問は募る・・

恋愛心理学「吊り橋効果」はどこまで妥当なの?
ijmaki / Pixabay

上の論文研究では確かに「吊り橋効果」が表れているのですが信憑性はどうかと思います。問題点はざっとこんな感じです。

 

    • 参加者が少ない
    • 参加者偏りがある(そこを通った観光客)からランダムにグループ分けができない
    • 女性インタビュアーが万人にとって「魅力的」とは限らない
    • 連絡をよこしてくる=恋に落ちてる、とは言い切れない
    • 男性インタビュアー×女性観光客だった場合どうなるか検証されてない

 

ざっと挙げてもこれくらい課題は浮彫りです。これ程信頼性が低い論文で出た結果を「吊り橋効果」として普遍的な心理学用語にまで昇華させてしまうのは恐いものです。「吊り橋効果」に関する新しい研究は出てないのかなとちょっと調べてみましたが、微妙な感じでした。現状の結論はこうなります。

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マケレリスト赤羽

「吊り橋効果」は恋愛テクに試してみてもいいけど、科学的根拠は弱そうです。

参考文献&引用

#1 Donald G. Dutton  and Arthur P. Aron, “Some Evidence For Heightened Sexual Attraction Under Conditions Of High Anxiety“,Journal of Personality and Social Psychology ,Vol.30, No.4, pp510-517,1974.