赤羽(Akabane)
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夜型のクロノタイプが太りやすくなる理由が2つ分かったようだ
クロノタイプとは、朝方・夜型に代表される睡眠リズムのことで、遺伝子などによって個人差があることが分かっています。
過去の文献をいろいろ読んでいると、夜型は何かと分が悪い印象がありますが、この記事でも「夜型のクロノタイプ&夜型の食事リズムだと太りやすくなるかも…?」というデータを見ていきます。
夜型は空腹感が高くなり高脂肪食を欲する傾向にあるようだ
2020年にリーズ大学が発表した研究(#1)によると、夜型のクロノタイプの人で空腹感が強くなったり高脂肪食を欲してしまう傾向が見られたようです。
この研究は、44名の若者(18〜25歳)を対象に実験を行ったもので、まず彼らをクロノタイプ別で大きく2つに分けました。
- 朝型(22名)
- 夜型(22名)
その上で、彼ら全員に、以下の2パターンの時間帯で食事を摂ってもらう実験を行いました。
- 朝食タイム:午前8~10時の間に食事を摂る
- 夕食タイム:午後4~6時の間に食事を摂る
*食事は195gのベイクドビーンズをのせた60gの全粒粉パンに300mlの水で、トータル300kcalになるように調整されている
*食事の時間は15分程与えられた
上記の食事中やその前後で、計7回、空腹感や満腹度、食欲、甘さや塩気に対する食欲などを評価してもらう機会があって、こうした測定項目に、クロノタイプと食事のタイミングの組み合わせによってどんな差が出るのか?という点をチェックしています。
また、他にも高/低脂肪食やスイーツ、塩分を欲する度合いを食事の前後の2回のみ調べたり、実験の前に普段の食事内容やBMIなどの基礎データを調査したりもしています。
そして上記を全てまとめた結果は、こんな感じになりました。
ここから言えるのは、夜型のクロノタイプを持つ人が夕食を食べる場合に最も太りやすい条件が揃っているのでは?という事です。夜型は、現にBMIも朝型より高めですし、食事の満腹感が低いことでつい食べ過ぎてしまいがちなのではないか?と。
また、夜型のクロノタイプでは高脂肪食を強く欲する傾向も確認されていて、ファストフードやスナック菓子などを夜食で食べてしまうことで、カロリー過多になっているのでは?とも考えられます。(今回の結果によると、カロリーにはクロノタイプ間で有意な差はないとのことでしたが、セルフレポートなので正確な量が反映されてないかも)
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ざっと以下の点は押さえておくとよろしくかと。
- サンプルサイズは小さい: 参加者は40名程と少なく、その分統計的なパワーは弱い
- サンプルはイギリスの健康体な若者のみ:他の国や文化圏でも同様の結果が得られるか?は分からない
- 食前の空腹時間が食事パターンによって異なっていたかも: 食前には3時間程の空腹時間を設けるように指示されていたが、朝食の場合は、前晩の睡眠時間も含めたらもっと長い時間の断食になっていたかもしれず、こうした実験デザインの差が結果に影響を与えていた可能性もある
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 健康に関して、何かと不利な結果が出ている「夜型」のクロノタイプ
- 今回の実験によると、夜型はBMIが高く、食事からの満腹感が得られにくく、高脂肪食を欲する傾向が強いことが分かった。また、朝食と夕食で比較すると、朝食中やその前後の方が空腹感が減っていた
- 夜型の人が夕食を食べる場合に、最も太りやすい条件が揃っていると考えられる
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Beaulieu, K.; Oustric, P.; Alkahtani, S.; Alhussain, M.; Pedersen, H.; Salling Quist, J.; Færch, K.; Finlayson, G. Impact of Meal Timing and Chronotype on Food Reward and Appetite Control in Young Adults. Nutrients 2020, 12, 1506.