赤羽(Akabane)
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全裸で過ごす時間を増やすと人生満足度や自己効力感が高まるかもしれない
ナチュリズムとは別名ヌーディズムとも呼ばれていて、全裸主義に近い感じでしょうか。つまり、本来服を着て過ごすのを想定される環境で全裸になって過ごすスタイルのことです。
ここからはそんなナチュリズムのメリット?について見ていきましょう。
ナチュリズムに触れ合う時間は人生満足度と自己効力感をもたらす?
参考になるのが2018年にロンドン大学が発表した研究(#1)で、ナチュリズムのメンタル的な効果について大きく3つの実験を行っていました。
例えばうち1つの実験では、オンラインの口コミや広告を使って849名(平均57歳)を対象に「過去に野外などで衣服を着ずに行うような活動やイベントに参加したことがあるか?」といったアンケート調査を行って、同時に心理面の調査結果と合わせてどんな関係があるかを見ていました。
するとこの結果分かったのは、全体の95%が過去にナチュリズム的なイベントに参加したことがあって、心理面にもこんな相関が見られたという事でした。
- 自分の体へのイメージがポジティブだった!
- そこから高い自己効力感との強い相関が!
- そして人生満足度アップとも強い相関が!
まとめると、服を着ずに裸で過ごすイベント等によく参加していた人は、自分の体へのイメージもポジティブで、結果的に人生満足度なども高かった、と。しかもこうした結果は、年齢や性別の違いとはあまり関係がなかったようです。また、参加の頻度自体は少ない方がこの効果が強かったみたい。
とはいえこの実験は過去の体験をアンケート調査しただけなので、実験の質は低いです。そこで残りの2つの実験では、イギリス在住の参加者を募って実際にナチュリストなイベントに参加してもらうというデザインでした。
そしてこの結果、イベントの前後では自分の体のイメージや自己効力感、ひいては人生満足度まで有意に改善されていました。こうした実験結果も合わせると、裸で過ごすことには何か心理面への好影響があるのかな?と考えられるわけですね。
裸になることでどうして人生満足度が改善するのか?
では裸になるとどうしてこんな効果が…?実験を細かく見ていくと、どうやら自分の裸を他人に見られることよりも、一緒に裸になっている他人を見ることが今回の効果と関係が深かったようです。つまり、周りの他人の裸を色々と見ることで、自分の体へのイメージがより客観的にできるようになったり、比較して「自分もそんなに悪くないかも…?」と思えたりしたのかも!と。
注意点・まとめ
ただし注意点も幾つかあって、まだこのテーマは初歩段階で実験の質が緩かったり、サンプルサイズが小さかったりと統計的なパワーは弱めです。また今回の実験ではイギリスの人だけが対象で、他の国や文化で同じ結果が得られるか?もハッキリしません。
実験も比較となるグループは用意されていないので、RCTのように因果関係が特定できたわけじゃない、というのも重要なポイント。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 全裸(半裸も?)でナチュリズムなイベントに参加すると体へのイメージがポジティブになって自己効力感アップに繋がるかも
- 結果的に人生満足度まで高まるかも
- 研究テーマとしては初歩段階なので、参考程度に留めておくべし
こんな感じでしょうか。この知見をどう実生活に落とし込めばいいか?は難しいところですが、寝るときに裸で寝てみると案外気持ちよかったりしますね。
赤羽(Akabane)
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#1 Keon West. Naked and Unashamed: Investigations and Applications of the Effects of Naturist Activities on Body Image, Self-Esteem, and Life Satisfaction. Journal of Happiness Studies, March 2018, Volume 19, Issue 3, pp 677–697.