赤羽(Akabane)
目次
【マッサージかストレッチか】運動後の筋肉痛や疲れから立ち治る最適なアプローチは?
早速ですが、このテーマについて参考になる研究データを見ていきましょう。
100件近くの関連研究を精査したメタ分析:運動後の筋肉痛や疲れを取るのに最適なアプローチとは?
これは2018年にポアティエ大学が発表したメタ分析(#1)で、1958〜2017年に出版された99件の研究を集めて、運動後の色々なケアが筋肉痛や主観的な疲労感、体内のバイオマーカーなどにどのくらい効果があるか?をまとめたものです。
ではまず今回含まれた治療のラインナップから見ていきましょう。
- アクティブリカバリー:普段のトレーニングより強度をかなり落とした運動を軽くやる
- ストレッチ:体を伸ばす
- マッサージ:そのままの意味
- 圧迫着衣:体を圧迫する帯や着衣を着る
- 電気刺激:そのままの意味
- 冷水に浸す:そのままの意味
- コントラストウォーターセラピー:温水の後に冷水に浸す方法
- クライオセラピー:患部を氷で冷やしたり凍らせる方法
- 高気圧酸素治療:高濃度の酸素を吸入させる方法
割と定番のものが揃っています。一般に浸透しているものから、アスリートなどガチ勢が使う手法まで色々ありますね。では次に分析の結果を見てみましょう。
- 参加者のタイプに関係なく筋肉痛や疲労に最も効果的だったのはマッサージ
- 次点で圧迫着衣や冷水に浸すなども効果が見られた
- 筋肉痛のみに効果が見られたのはアクティブリカバリー、コントラストウォーターセラピー、クライオセラピー
ここから言えるのは、総合してベストなのが意外にも「マッサージ」だった!ということです。しかもバイオマーカーで見ても、クレアチンキナーゼなどの疲労の指標や、IL-6やCRPなど炎症性サイトカインの減少もしっかり確認されたみたい。
他にも患部を冷却する系のアプローチは割と効果が出ていたり、アクティブリカバリーも良さげですね。で逆に有力かと思われたストレッチは思わしくない結果に終わっていて、かえって筋肉痛を悪化させるケースがあるかも..とのこと。
注意点・まとめ
ただし注意点として、今回含まれた研究はどれも一回きりの治療しかしていない点は押さえておきたいところ。つまり、各治療を数週間、数か月単位で運動後に続けていった場合はどうなるかはわからない、と。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 運動後の筋肉痛、疲労、関連するバイオマーカー、総合して最も効果的なのは「マッサージ」だった
- 他にも患部を冷却する系の治療、圧迫着衣、アクティブリカバリー辺りも有力候補
- ストレッチは意外にも効き目がなくて、むしろ逆効果かもしれない
こんな感じでしょうか。現時点では、運動後の疲労や筋肉痛対策にはマッサージか冷却をしておけば間違いないんじゃないかなと思います。
赤羽(Akabane)
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#1 Dupuy O, Douzi W, Theurot D, et al. An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis. Front Physiol. 2018 Apr 26;9:403.