【リフィード】カロリー制限中に筋肉量や代謝が低下するのを防ぐテクニック

赤羽(Akabane)

今回は「食事制限のテクニック『リフィード』でカロリー制限中の筋肉量や代謝の低下を防げるかも？」というお話です。

リフィード..それはカロリー制限中に筋トレの効果や代謝を落とさない優しい世界

食事制限のテクニックとして「リフィード(Refeed)」というものがあります。これは「再び(Re) + 食事を与える(feed)」から転じて、食事制限期間中のどこかで、一旦通常通りの食事をしてもよい日を作ることです。

ただし、リフィードはよくチートデイと誤解されてしまいます。まずは両者の違いをハッキリさせて、それから本題に入りましょう。

リフィードとチートデイの違いはこれです。

まとめると、リフィードは体重を増やさない範囲で摂取カロリーを元に戻すのに対して、チートデイでは特に制限がありません。またリフィードでは主要なエネルギー源になる炭水化物のみ増やすのに対して、チートデイではこの点でも特に指定はありません。

では以上を踏まえて、本題に入りましょう。

2020年にサウスフロリダ大学が発表したRCT(#1)によると、リフィードはカロリー制限中の筋肉量や代謝の低下を最小限に抑えてくれることが分かりました。

この研究では、27名の男女(平均25歳)を対象に、彼らをランダムで以下の2つのグループに分ける実験を行いました。

カロリー制限グループ(14名): 一週間を通して一日の摂取カロリーを25%減らして過ごす
リフィードグループ(13名): 月~金までは一日の摂取カロリーを35%減らして過ごし、土日は炭水化物からの摂取カロリーを増やして普段通りのカロリー量で食べられる

(#1)より引用。グループごとの1週間のスケジュール。CONTINUOUSがカロリー制限、REFEEDがリフィード。

実験期間は7週間で、参加者らはそれぞれのグループに沿った食事をしつつ、週4回の筋トレプログラムに参加しました。筋トレは上半身2日、下半身2日に分かれて、更に週2回ほど有酸素運動をやるように指示されていました。

食事制限のミソは、どちらも週間で見ると、体型維持に必要なカロリーの25%を削減しているところです。ここを揃える一方で、リフィードグループではカロリー制限に緩急をつけているんですね。

そして実験前後で参加者らの体型や代謝の数値を測定した結果、こんなことが分かりました。

結果

両グループで減量効果があった(リフィード: -3.2 kg, カロリー制限: -3.6 kg)
両グループで減量効果があった(リフィード: -2.8 kg, カロリー制限: -2.3 kg)
リフィードでは筋肉量や安静時代謝量があまり落ちなかった(リフィード: -0.4 kg & -38 kcals, カロリー制限: -1.3 kg & -78 kcals)

まとめると、両者はどちらも痩せましたが、リフィードをすることで筋肉量や代謝を落とさずに維持できる！ということが分かったんですね。これは従来の見解と一致しています。

ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意

サンプルサイズが小さい：参加者数が少ない分、統計的なパワーは弱くなる
サンプルは若い筋トレ経験者のみ：違う年齢や運動習慣の人で同様の結果が得られるか？は分からない
インスリンの測定は行っていない：食事や筋肉に深く関わっているインスリンだが、今回は測定しておらず。リフィードでどのようにして筋肉量や代謝を維持できたのか？という詳しいところは分からない

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント

赤羽(Akabane)

冒頭でも触れましたが、リフィードはチートデイとごっちゃになりやすいので注意です。リフィードはやった事がありませんでしたが、今回の結果を受けてちょっと興味が湧いてきました。

#1 Campbell, B.I.; Aguilar, D.; Colenso-Semple, L.M.; Hartke, K.; Fleming, A.R.; Fox, C.D.; Longstrom, J.M.; Rogers, G.E.; Mathas, D.B.; Wong, V.; Ford, S.; Gorman, J. Intermittent Energy Restriction Attenuates the Loss of Fat Free Mass in Resistance Trained Individuals. A Randomized Controlled Trial. J. Funct. Morphol. Kinesiol. 2020, 5, 19.