赤羽(Akabane)
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食物繊維とプレバイオティクスの違いとは?
早速ですが、ISAPP(International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics)(#1)という、プレバイオティクスなどを専門とした科学協会が発表したインフォグラフィック(#2)が非常に参考になります。
プレバイオティクスの専門機関による「プレバイオティクスと食物繊維の定義の違い」
ではまず食物繊維とプレバイオティクス、両者の定義から見ていきましょう。
食物繊維の定義と特徴
食物繊維は、難消化性であり、少なくとも3つ以上の単糖類が結合した植物由来炭水化物である。ほとんどの食物繊維は植物の要素であり、どの地域に住んでいるかによるが、植物から完全に切り離されたり糖から合成されたりして、生理的なメリットが示された状態でようやくフードラベルに「食物繊維」と表記できる。[筆者訳]
食物繊維は、植物由来で我々の消化器官では消化が出来なかったり難しかったりする物質。炭水化物とよく言いますが、これは厳密に「糖質+食物繊維」を指します。
食物繊維の特徴を幾つか挙げておくと、
- ヒトが消化吸収できないが一部の種類は腸内細菌が代謝する
- あらゆる穀物や果物、野菜、豆類などに含まれる
- 1日に2000kcal摂取するとしたら、28gの食物繊維が健康にベスト
- 水溶性と不溶性に分かれる
この辺りを押さえておくとよろしいかと思います。
プレバイオティクスの定義と特徴
プレバイオティクスは腸内環境に有益な効果をもたらす食品を指す。私たちはプレバイオティクスを消化することができないが、腸内細菌がこれらを消化吸収することができる。これによって、腸内細菌はあらゆる有益な物質を産生することができる。(例:短鎖脂肪酸)[筆者訳]
一方でプレバイオティクスは、腸内細菌のエサになって、腸内環境に有益な効果がある食品は全部含みます。この中には食物繊維の仲間も含まれていたり。
プレバイオティクスの特徴を幾つか挙げておくと、
- ヒトが消化吸収できないが腸内細菌が代謝する
- 植物由来の食品に多く含まれる(大抵は植物から抽出されていたり、糖から合成されたりしている)
- 1日当たりの適切な量は不明
- 今現在、プレバイオティクスのほとんどは水溶性食物繊維
この辺りを押さえておくとよろしいかと思います。
食物繊維とプレバイオティクスの区別が一目で分かるベン図
では以上の定義を踏まえて「食物繊維とプレバイオティクスの区別」を図で見ていきましょう。
ザっとこんな区分けになります。「食物繊維」の中にも、腸内細菌に有益なモノと影響が少ないモノがあって、有益なモノは同時に「プレバイオティクス」とも言える、と。
赤羽(Akabane)
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#1 International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics(ISAPP). accessed on 11st July 2019.
#2 International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics(ISAPP). Understanding Prebiotics and Fiber. accessed on 11st July 2019.