赤羽(Akabane)
目次
プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いとは?
早速ですが、ISAPP(International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics)(#1)という、プレバイオティクスなどを専門とした科学協会が発表したインフォグラフィック(#2)が非常に参考になります。
プレバイオティクスの専門機関による「プロバイオティクスとプレバイオティクスの定義の違い」
ではまずプロバイオティクスとプレバイオティクス、両者の定義から見ていきましょう。
プロバイオティクスの定義と特徴
プロバイオティクスは、十分な量が摂取された時に、健康に有益な効果をもたらす生きた微生物のことです。これらは、常にではないものの、ときに私たちの体内に棲みついている微生物と似ています。[筆者訳]
まずプロバイオティクスは「生きた微生物」を指すものだ、と。ただ、生きていなきゃ効果がないのかどうか?は幾つか議論(#3,#4)があって、生きたプロバイオティクスも死んだプロバイオティクスも両方健康効果に寄与してるんでは?との主張もあったり。
プロバイオティクスの特徴を幾つか挙げておくと、
- 生きた細菌として、プロバイオティクスは私たちの体内に棲みついている微生物に影響を与える。
- 腸内細菌と比べると数は少ないものの、プロバイオティクスも成長して代謝や他の微生物たちと交流できる。ただし腸内で長期間定着することはほとんどない。
- プロバイオティクスによる腸内細菌への効果は、彼らがあまり棲みつかない胃や小腸を通過してきていることによるかもしれない。
- プロバイオティクスは腸内細菌たちと似たメカニズムで効果を発揮する。例えば免疫システムの改善によって、プロバイオティクスは体内に棲みつく腸内細菌や宿主に健康をもたらす。
この辺りを押さえておくとよろしいかと思います。
プレバイオティクスの定義と特徴
プレバイオティクスは、私たちの体内に棲みついている有益な微生物たちの食事になるものを指す。「良い」腸内細菌によって代謝され、腸内環境や体全体の健康にポジティブな影響をもたらす。[筆者訳]
簡単に言うと、プレバイオティクスは腸内細菌たちのエサみたいなもの。大半を水溶性の食物繊維が占めていて、我々の消化器官では消化吸収されないんで、そのまま大腸まで届くことができるんですね。
プレバイオティクスの特徴を幾つか挙げておくと、
- ヒトが消化吸収できないが腸内細菌が代謝する
- 植物由来の食品に多く含まれる(大抵は植物から抽出されていたり、糖から合成されたりしている)
- 1日当たりの適切な量は不明
- 今現在、プレバイオティクスのほとんどは水溶性食物繊維
この辺りを押さえておくとよろしいかと思います。
プロバイオティクスとプレバイオティクスの区別を一目でおさらい
では以上の定義を踏まえて「プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い」を図で見ていきましょう。
そもそもプロバイオティクスは「微生物」を指して、プレバイオティクスは「腸内細菌のエサ」指しているので中身はかなり別モノですね。
でプロバイオティクスは腸内の善玉菌を増やすのに「直接善玉菌を摂って腸内の善玉菌と協力させよう!」という感じであるのに対して、プレバイオティクスは「腸内の善玉菌の良いエサになるモノを間接的に与えて増やそう!」という考え方です。
赤羽(Akabane)
快腸ライフを送るのに最適なプレバイオティクス
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#1 International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics(ISAPP). accessed on 11st July 2019.
#2 International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics(ISAPP). Effects Of Probiotics And Prebiotics On Our Microbiota. accessed on 11st July 2019.
#3 Adams CA. The probiotic paradox: live and dead cells are biological response modifiers. Nutr Res Rev. 2010 Jun;23(1):37-46.
#4 知をたずさえ 生命の海へ『「生きた菌が腸まで届くから健康になれるわけではないんです」(光岡知足インタビュー②)』2019年7月11日アクセス。