赤羽(Akabane)
目次
抗うつ剤に並ぶ?サフランの驚くべきうつ病を治す効果
サフランをプラセボや抗うつ剤と比較した実験の総まとめ
2019年にロレスタン医科大学が発表した系統的レビュー&メタ分析(#1)によると、サフランにはうつ病を改善する効果があり、その効果は抗うつ剤に匹敵するかもしれないことが分かりました。
この研究では、条件にマッチした8件の過去研究から368名分のデータを集め、サフランのうつ病への効果を分析してくれています。それぞれの研究の内容を以下にざっくりとまとめます。
- サフラン vs 比較グループでうつ病改善効果を比べた(比較にはプラセボが4件、フルオキセチンが4件)
- 2005~2016年に行われた実験を含んでおり、実験期間は6~12週間
- 実施国はすべてイランで、性別では男女ほぼ均等に集められた
*フルオキセチンは選択的セロトニン再取り込み阻害薬の一種でメジャーな抗うつ剤。
そして分析結果をまとめると、ざっとこんな感じになりました。
- 【vs プラセボ】サフランでうつ病改善効果が確認された(SMD = -0.86; 95%CI: -1.73 ~ 0.00)
- 【vs フルオキセチン】サフランでうつ病改善効果が確認された(SMD = 0.11; 95%CI: -0.20 ~ 0.43)
この結果から、サフランにはうつ病改善効果が見込めること、そしてその効果は抗うつ剤に匹敵するレベルであることが示唆されました。
またサフランの摂取量ごとに効果を分類すると、一日30mgよりも50mgで高い効果が確認されています。この辺りのデータは更に少ないので、現段階ではあくまで参考程度に留めておくのが吉かと。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 全ての研究はイランで実施されている: 他の文化圏や国、人種の条件でどこまで同様の結果が得られるか?は分からない
- サンプルサイズは小さい: 集まった参加者データが少ない分、統計的なパワーは弱い
- 実験期間は短い: 数週間の短い介入なので、予後のコンディションや長期的な効果までは分からない
メタ分析ということで信頼できるデータかと思いきや、実施国に偏りがあったり、サンプルが少なかったりとまだまだ課題もある印象。特にプラセボと比べた場合、効果にかなりバラつきが見られますし、どこまで安定した効果なのか現状ではハッキリとは判断できないかと思われます。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- アヤメ科の多年草およびそのめしべを乾燥させてできたスパイス「サフラン」はカレーの香辛料に使われたりする
- 8件の研究をまとめたメタ分析によると、サフランを数週間摂り続けることでうつ病が改善することが判明。その効果はフルオキセチン(抗うつ剤の一種)に匹敵するくらいかもしれないようだ
- 実験では一日30~50mgのサフランが使用されており、50mgの方が高い効果を発揮する可能性も示唆されている(なお、データはまだ少ないので確定ではない)
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#1 Khaksarian M, Behzadifar M, Behzadifar M, Alipour M, Jahanpanah F, Re TS, Firenzuoli F, Zerbetto R, Bragazzi NL. The efficacy of Crocus sativus (Saffron) versus placebo and Fluoxetine in treating depression: a systematic review and meta-analysis. Psychol Res Behav Manag. 2019 Apr 23;12:297-305. doi: 10.2147/PRBM.S199343. PMID: 31118846; PMCID: PMC6503633.
※当記事はメンテナンス済みですが、2020年12月12日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。