赤羽(Akabane)
子育てをする上で、重要になりそうな面白い研究があったので共有します。
目次
「子どものおもちゃは少ない方がいいかもよ」という斜め上な研究
これは2018年にトリード大学が発表した研究(#1)でして、「1~2歳くらいの幼児に与えるおもちゃの数で幼児の態度はどう変わるのか?」を調べた興味深い内容です。詳しく実験の中身を覗いてみますと、
- 1歳8か月~2歳4か月くらいの幼児たち36名が対象
- 2つのグループ*に分かれる
- 幼児たちが遊ぶ様子をビデオで観察する
- 遊ぶおもちゃの数、おもちゃ遊びの時間、おもちゃの遊び方を調べた
・4個のおもちゃで遊ぶグループ
・16個のおもちゃで遊ぶグループ
・16個のおもちゃで遊ぶグループ
こんな様子。ちなみに与えるおもちゃのカテゴリはというと、教育系、ごっこ系、アクション系、乗り物系があったようで、これらが均等に与えられたんですね。すると結果は、
結果
- 4つのおもちゃで遊んだグループのほうがおもちゃ遊びの質が高かった!
という結果に。もっと詳しく見ていきますと、4つのおもちゃで遊んだグループのほうが..
結果
- 遊ぶおもちゃの数が16個のグループの半分くらいだった
- その分1つのおもちゃで遊ぶ時間が2倍程長く続いた
- おもちゃの遊び方のバリエーションが1.5倍程豊富だった
という風になりまして、おもちゃの数が少ない方が幼児たちは集中できて、遊び方に独自の工夫が見られたんですね。これはとても興味深い..。
ではどうしておもちゃは少ない方がいいのか?これは行動経済学の観点からも一つ説明がつきそうです。
就活の面接は沢山受ける程後悔する!人生満足度を下げる「選択のパラドックス」とは?簡単に言うと、「選択のパラドックス」とは多すぎる選択肢は結果として得られる満足度を下げてしまうよというもの。例えば幼児があるおもちゃで遊び出すと、
幼児
ん~あっちのおもちゃも良さげやなぁ..いや、あっちのもエエ感じやないかい。
という感じで選択肢が多すぎて気が散ってしまうんですね。すると1つのおもちゃで遊ぶ時間も短くなっていき、当然目の前のおもちゃに集中できません。
赤羽(Akabane)
まとめると、小さいお子さんへのおもちゃは少ない方が集中できて創造性を発揮するのにもよろしいかと思います。今回の研究は1~2歳くらいの幼児が対象でしたが、この結果は他の発育段階の子供にも当てはまる話かと。
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#1 Carly Dauch, Michelle Imwalle, Brooke Ocasio, Alexia E.Metz,”The influence of the number of toys in the environment on toddlers’ play“,Infant Behavior and Development,Volume 50, February 2018, Pages 78-87.