目次
一日推奨量を超えた量のビタミンD摂取でうつ症状改善&アンチエイジング効果が
前に紹介したビタミンDのメタ分析で「ビタミンDサプリを摂るとうつ病や症状が改善する!」という結果がありましたが、今度は+αでアンチエイジング効果も期待できそうだ、という論文を発見しました。
一日7000IUものビタミンDをサプリで摂ったらメンタル改善&抗酸化能アップ?
これは2016年にカーシャーン大学の教授らが発表したRCT研究(#1)で、どうやらビタミンDの大量摂取でうつ症状改善&アンチエイジング効果があったとの結論になったようです。中身を覗いてみると、
- 男女40人(結果的には36人)、女性多め
- 18~65歳、うつ病の診断あり
- グループ分けは次の通り
- 週に50000IUのビタミンDサプリを摂取する(一日平均7000IU)
- プラセボグループ(何もしない)
目安量(IU) | 耐容上限量(IU) | |
18~70以上(男女同じ) | 220 | 4000 |
※日本人の食事摂取基準(2015年版)参照
こんな感じ。日本のビタミンD摂取基準と比べると、とにかくビタミンDサプリの摂取量が多い…耐容上限量を余裕で超えています。さて、その結果はというと、
- ビタミンDサプリ大量摂取でうつ症状が大きく改善
- 抗酸化能力が高まった(アンチエイジング効果↑)
- インスリン抵抗性が改善した(糖尿病の指標)
- 体内グルタチオンのレベルが高まった(アンチエイジング効果↑)
なんとうつ症状の改善とアンチエイジング効果が大きく表れました。この二つの繋がりとして考えられるのは、うつ病の原因のひとつとして体内の酸化ストレスがあって、これを抗酸化能力のアップがカバーしている可能性が高いですね。
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらをどうぞ
現行の推奨量は測定エラー?ビタミンDは結局一日どのくらい摂ればいいのか?ビタミンDは呼吸器系や認知機能、自己免疫疾患、メンタルヘルスの改善にどこまで効果があるのか?ビタミンDサプリのアンチエイジング効果が最新のメタ分析によって証明されていた件。参考文献&引用
#1 Zahra Sepehrmanesh ,Fariba Kolahdooz ,Fatemeh Abedi ,Navid Mazroii ,Amin Assarian,Zatollah Asemi,Ahmad Esmaillzadeh,”Vitamin D Supplementation Affects the Beck Depression Inventory, Insulin Resistance, and Biomarkers of Oxidative Stress in Patients with Major Depressive Disorder: A Randomized, Controlled Clinical Trial“,The Journal of Nutrition,Vol.146,No.2,pp243–248,2016.
#2 東京大学「生きた細胞内のグルタチオンを可視化し、定量する~がん治療研究や創薬研究への応用に期待~」
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20161108/index.html「2018年3月29日アクセス」