赤羽(Akabane)
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人と会う以外にも孤独を癒す手段はこんなにあるんだ!という研究結果
新型コロナ対策として、外出自粛要請やロックダウンなどがありますが、こうした方針の副作用として、人と会いづらくなってしまう点が挙げられています。
人と会えなくなると、孤独感が深まったり、メンタルヘルスにも少なからず影響があると考えられていまして、コロナと同時にこうした側面も考慮していかねば!というのが現状であります。
孤独を癒すには伝統的・非伝統的な繋がりを両方意識せよ!という研究結果
そこで2020年にニューヨーク州立大学が発表した研究(#1)では、人が普段からよく頼っている孤独を癒す方法を17つ挙げてくれていました。
この研究では、有志の学生173名(平均19歳)を対象に、オンラインのアンケート調査を行っています。具体的な内容は、年齢や性別などの基本的な情報や、社会的な繋がりのレべル、人生満足度など。それから「普段、社会的な繋がりをどのように満たしているか?」という質問に燃料タンクのパーセンテージでゲージを埋めていくものもありました。
例えば画像の上のゲージでは、3つの手段で孤独を埋めており、依然として50%ほどは孤独を感じているという状況です。下の画像は、10種類以上の手段を行使して何とか孤独の埋め合わせに成功している例ですね。
そしてこうした調査の結果をまとめると、「非伝統的に繋がりを満たせ!」という結論に。簡単に言うと、伝統的な繋がりが人と直接深い関係を持つことを指しているのに対して、非伝統的な繋がりはそれ以外の方法ということになります。要は、人と会って深く繋がれば集団への没入感が得られて孤独も払拭できるけれど、わざわざそうしなくとも他の方法はもっとあるよね!と。
・非伝統的な繋がり…人間関係以外の何らかの手段
これを踏まえて、孤独を癒す手段として参加者らがよく挙げていた項目をまとめると、ザっと以下のようになりました。
孤独を癒す17の手段
伝統的(回答多い順)
- 仲の良い友達との繋がり
- 家族との繋がり
- 恋人との繋がり
非伝統的(回答多い順)
- 音楽を聴く
- そこそこの仲の友人との関わり
- TVを観る
- 大人数でのイベント
- 他人とエクササイズ
- 職場の人との関わり
- 映画を観る
- 好きな食べ物を食べる
- ペットと戯れる
- ゲーム
- 知り合いとの関わり
- 本を読む
- 人混みの中に居る
- 有名人の動向をチェックする
実験の参加者らは、こうした中から2~17つの手段(中央値7)を用いて孤独を癒していたようです。非伝統的な手段では、「音楽を聴く」「ペットと戯れる」「他人とエクササイズ」辺りが特にゲージのパーセンテージを大きく埋めていました。
燃料タンクの調査とその他アンケート結果を分析すると…
また、燃料タンクの調査とその他のアンケートを分析すると、以下のようなことも分かったようです。
- 燃料タンクのゲージが埋まっているほど主観的な孤独感が低かった
- 伝統的・非伝統的な繋がりを上手く使えているほどポジティブに自分を捉えられていた
- ゲージを埋めるのに使っている手段の数はあまり関係なかった
どうやら、人生の見通しをポジティブにするには、人間関係から日常のちょっとした楽しみまで、色々な方法を織り交ぜて効果的に孤独感を埋め合わせることが大切なようです。
注意点・まとめ
ただし、対象は大学生のみなので、今回の結果がどこまで一般化できるか?という問題点はあります。例えば、高齢者や慢性疾患持ちの患者などであれば、出来ることが制限される分回答が違ってくる可能性が高いと考えられますね。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 孤独を癒すには深い人間関係以外にも「非伝統的な繋がり」を活かした方法が沢山ある
- 今回の調査では、孤独を癒す方法として、やはり深い人間関係に関わる「伝統的な繋がり」を回答する割合が多かったが、他にも「ペットとの戯れ」や「他人とのエクササイズ」「音楽を聴く」といった方法も孤独を大きく和らげていることが分かった
- こうした伝統的・非伝統的な繋がりを満たす方法を効果的に使えている人ほど、人生の見通しや自分への評価がポジティブで、孤独感も低い傾向が見られたが、使っている手段の数はあまり関係なかった
赤羽(Akabane)
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#1 Elaine Paravati, Esha Naidu & Shira Gabriel (2020) From “love actually” to love, actually: The sociometer takes every kind of fuel, Self and Identity, DOI: 10.1080/15298868.2020.1743750