赤羽(Akabane)
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その腸の不調はどこから?グルテンフリーとFODMAPはどんな人が試すべきなのか?
「腸の不調」とひと言に言っても色々な原因が考えられます。有名どころでは「セリアック病」や「過敏性腸症候群」などがありますが、症状が重なることが多いので、結構ややこしかったりします。
それに応じてやり玉にあがる選択肢も色々あって、グルテンを含む穀物を断つ「グルテンフリー」が最も有名でしょうか。他には腸の不調を引き起こしやすい食品を排除していく「FODMAP」など、一体自分はどれを試すべきなのか..?と悩ましいですね。
グルテンフリーとFODMAPはいつ試すべきなのか?
では本題ですが、2019年にフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクが発表した研究(#1)では、整腸戦略の二大巨頭である「グルテンフリー」と「FODMAP」はどんな時に必要なのか?というテーマについて調べてくれていました。
では早速ですが、この研究の結論から見ていきます。
整腸戦略を試すべきかどうか?
- セリアック病:厳しいグルテンフリーダイエットが必須
- 非セリアックグルテン過敏症:グルテンフリーダイエット(*ただしセリアック病の場合より厳しくなくてよい)をメインに、低FODMAPを織り交ぜてみてもいいかも
- 過敏性腸症候群:低FODMAPが最も効果的で、グルテンフリーをちょっと織り交ぜてもいいかも
- 健康な人:どちらも試さなくてよい
セリアック病をはじめグルテンがダメな病状のケースは、正直穀類などの制限をどのくらい厳しくすべきか?は個人差が激しいです。ただ、セリアック病と非セリアックグルテン過敏症で比べると、後者だと制限はもうちょっと緩くても良いのでは?という解釈になります。
過敏性腸症候群(IBS)のケースでは、過去に当サイトでも紹介した通り「低FODMAP」に沿った食事が最も効果的です。これはまとまったメタ分析(#2)でも報告が上がっていて、IBSに特化した食事と同レベルの効果が見込めることが分かっています。
こうした知見を図で表すとこんな感じです。
なかなか見やすくなりましたね。ちなみに、上で挙がったような腸の病気がない健康な方が、いきなりグルテンフリーや低FODMAPを試すのはオススメしません。
これも過去のFODMAPの話で触れましたが、こうした整腸戦略はどれも厳しい食事制限を伴うので、栄養が偏る恐れがあるからです。そしてこの制限には、健康に欠かせない「食物繊維」が豊富な食品まで引っかかってしまうんですね。
赤羽(Akabane)
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#1 Walburga Dieterich and Yurdagül Zopf. Gluten and FODMAPS—Sense of a Restriction/When Is Restriction Necessary? Nutrients. 2019 Aug; 11(8): 1957.
#2 Schumann D, Klose P, Lauche R, Dobos G, Langhorst J, Cramer H. Low fermentable, oligo-, di-, mono-saccharides and polyol diet in the treatment of irritable bowel syndrome: A systematic review and meta-analysis. Nutrition. 2018 Jan;45:24-31.