赤羽(Akabane)
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2019年、健康の権威「WHO」が認知症の加速を止めるべく新ガイドラインを打ち出す。
まず認知症とは何か?という点だけざっくりおさらいしておきましょう。
認知症とは、思考や記憶、理由づけなど認知機能の低下である。また日常生活に支障をきたすレベルで、人の生活能力を奪う。こうした機能には、記憶や言語能力、視覚、問題解決能力、自己制御、集中力が含まれる。[筆者訳](#1)
つまり認知症とは認知機能低下に拘る広い定義。普段からよく耳にするアルツハイマー病も原因の一つです。これを踏まえて本題に入ります。
認知症を未然に防いで最期まで生き抜くための12の対策
ではここからが本題です。紹介するのはWHOが2019年に発表したガイドライン(#2)。
WHOが過去の研究を精査した結果、まず次の12方面からアプローチをかけることが最も認知症予防に効果的だとしています。
- 運動
- 禁煙
- 栄養面
- アルコール
- 認知機能トレーニング
- 社会活動
- 体重管理
- 血圧管理
- 糖尿病対策
- 脂質異常症対策
- うつ病対策
- 聴覚低下対策
睡眠関連のススメが入っていないのが気になりますが、割とどれも「そりゃそうだ..」と納得の内容かと思います。ここまではありふれた話ですね。
ただこれで終わりではなくて、WHOはこれらを現時点でのエビデンスレベルと推奨レベル別に分類してくれています。
エビデンスレベルが強固
- 認知機能に問題がない大人も定期的に体を動かす
- 認知機能のレベルに関係なく地中海式ダイエットに沿った食事を心がける
- 全ての大人はWHOのガイドラインに沿った健康食を心がける
- ビタミンB群やE、不飽和脂肪酸のサプリは認知機能低下を防ぐために飲むべきではない
- 認知機能低下を加速させないためにも、お酒は飲みすぎたり危険な飲み方はすべきではない
- 中年で太り気味or肥満の人は体重管理に気を配る
- 高血圧の患者にはWHOのガイドラインに沿った血圧管理が必要だ
- 糖尿病患者はWHOのガイドラインに沿って治療や生活習慣の改善をすべきだ
推奨レベルが高い
- 認知機能に問題がない大人も定期的に体を動かす
- 禁煙は認知機能低下を遅らせるので喫煙者はたばこを止める
- ビタミンB群やE、不飽和脂肪酸のサプリは認知機能低下を防ぐために飲むべきではない
- 高血圧の患者にはWHOのガイドラインに沿った血圧管理が必要だ
- 糖尿病患者はWHOのガイドラインに沿って治療や生活習慣の改善をすべきだ
まとめると、まずどんな方でも認知症対策で真っ先にやるべきなのは「適度な運動」や「健康な食事」辺り。ただ「脳にイイ!」とされるビタミンB群やオメガ3などのサプリは推奨されてなくて、実際に比較試験でも効果が全然出ていないんですね。
ということで今回の内容を各人の状況別にざっくりまとめます。
認知症対策として大人全員が心がけるべきこと
- 適度な運動
- 地中海食やWHOガイドラインに沿った健康食
- 脳に良いとされる栄養の「サプリ」は飲まないこと
- お酒はほどほどに安全な飲み方でたしなむ
喫煙者は…
- +アルファで禁煙をする
中年太りしている大人は…
- +アルファで体重管理をする
高血圧な大人は…
- +アルファでWHOガイドラインに沿った血圧管理をする
糖尿病患者は…
- +アルファでWHOガイドラインに沿った治療や生活習慣の改善をする
ザッとこんな感じでしょうか。この辺りは科学的な証拠も割と揃っていて、WHOとしても推奨レベルが高い、と。優先的に対策したほうがよさそうですね。
赤羽(Akabane)
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#1 National Institute on Aging, What Is Dementia? Symptoms, Types, and Diagnosis. accessed on 19th June 2019.
https://www.nia.nih.gov/health/what-dementia-symptoms-types-and-diagnosis
#2 WHO, Risk reduction of cognitive decline and dementia. Accessed on 17th June 2019.
https://www.who.int/mental_health/neurology/dementia/english_foreward_executive_summary_dementia_guidelines.pdf?ua=1