筋トレ科学の鬼才ショーンフェルド氏に学ぶ「最強の筋肥大トレーニングメソッド」

2019年6月12日体の仕組み, 筋力トレーニング, 考察編

筋トレ研究の第一人者が贈る「筋肥大の全てまるわかり!」なレビュー研究

ショーンフェルド 筋肥大 研究

筋トレに関する論文研究を読んでいると、よく研究者名に名を連ねている方がいらっしゃいます。その方はブラッド・ショーンフェルド教授。
 
 
この方は当ブログでも過去に紹介した、

 

  • プロテインは1回20gまで!説は怪しい。4回くらいに小分けして1.62~2.2g/kg/日を摂れば筋合成は最適化できる(#1)
  • 筋力アップには一回13分の筋トレを週3だけでも1時間に近い効果があるぞ(#2)
  • 結局ボリュームが同じなら筋肥大のための筋トレは週3でも週6でも変わらないみたいだ(#3)

 

こうした、筋トレ界に多大な影響を与えた数々の論文に携わっている筋トレ研究の第一人者なんですね。
 
 
そして今回は、2010年にショーンフェルド教授が発表した筋肥大にまつわるレビュー研究(#4)をザッと紹介したいと思います。

筋肥大が起こる3つのメカニズム!

ということでまずは「筋肥大ってどんな仕組みで起こってるの?」という疑問について。この点に関しては、大きく次の3つが重要なポイントです。

 

  • メカニカルストレス:力を生み出したり伸縮したりして筋肉に与えるストレス。この刺激によって筋肥大に関わる伝達回路が活性化し、筋肥大につながる。
  • 筋損傷:筋肉に負荷をかけることで与えられるダメージ。これによって修復時に筋繊維や基底膜、筋肉を形作る細胞が一回り大きくなって、筋肥大につながる。
  • 代謝ストレス:トレーニングによって体内に蓄積する代謝物によって筋肥大が促進される。乳酸や水素イオン、無機リン、クレアチンなどが代表的。加圧トレーニングはこの原理を応用して人工的に無酸素の状態を作り出している。

 

今回は大まかな仕組みだけでも押さえられればと、より細かいところは一旦端折っています。詳しくは今後掘り下げて共有したいと思います。

筋肥大を左右する6つのトレーニング変数!

次に「トレーニングする上で筋肥大に大切なポイントって何よ?」という疑問について。これに関してはザッと6つのポイントが挙がっておりました。

 

  • 強度:1RMの何%の重量を扱うか?で決まる。基本的に15回以上挙げられる低強度は中~高強度のトレーニングに劣ると言われている。
  • ボリューム:セット数、1セットあたりのレップ数を総合したトレーニングの量。ボリュームは大いに越したことはなく、複数セットこなさないとホルモン分泌が起こらないとする報告も多数ある。
  • 種類:トレーニングの種目。当然、何をやるかによってターゲットの部位への刺激も変わってくる。
  • インターバル:セット間の休憩。例えば30秒ほどの短いインターバルは代謝ストレスを高めてくれるが、一方で筋力が回復しきらずパフォーマンスが落ちると言われている。
  • オールアウト:「もう挙がらない」まで挙げるテクニック。限界までやることで筋肉の全ユニットが総動員されて筋肥大が促進!と言われるものの、現時点では議論が分かれる。
  • 挙上スピード:重りを挙げる速さ。1秒くらいで挙げた方が効く!という報告もあれば、ゆっくりがいいとする報告もある。筋肥大には下ろす時の伸張運動(エキセントリック)が一番大事なモーションなので、この時のスピードが大きな鍵になるかもしれない。

 

これらの要素は筋肥大に限った話ではなくて、筋力アップや競技のパフォーマンスアップのためのトレ時にも考える必要がありますね。
 
 
近年では、筋力アップや筋肥大に特に大事なのがボリュームだ!と言われています。やはりある程度は量をこなさないと成果は出てこないよ、と現実的な結論であります(笑)

筋肉をデカくするために意識したい筋トレメソッド6カ条

では最後にまとめ。結局ショーンフェルド教授はこのレビューをどのようにまとめたのか?結論、筋肥大を最大限引き出すには以下のような6カ条が大切であると仰っていました。

 

  • 1セット6~12レップ
  • セット間のインターバルは60~90秒
  • オールアウトするセットと程々で止めるセットを混ぜて程よく筋肉を刺激する
  • コンセントリック(収縮運動)の時は速めに1~3秒かけて挙げる
  • エキセントリック(伸張運動)の時は2~4秒かけてゆっくり下ろす
  • ピリオダイゼーションを使う

 

こうして見ると、割と巷で言われている重要ポイントがちらほら。オールアウトはやり過ぎるとオーバートレーニングになるのでちょっと混ぜるくらいにしましょう、とのこと。
 
 
ちなみにピリオダイゼーションとは、こまめにトレーニングのセットや負荷を変えていくテクニックでして、2017年の信頼性高めな研究(#5)でも、筋力アップに効果がありそうだ!と結論づけられていたり。
 
 
筋肥大にも同じように効果が見込めるようなので、取り入れてみると良さげですね。私もほぼ毎週レベルでメニューやセット数、負荷などスイッチしまくっています。

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赤羽(Akabane)

筋肥大のいろはがわかりやすくまとめられた本当に有難いレビューでした。とにかく筋肉をデカくしたい!という方は上の6カ条をまず守ってやってみるとよろしいかと。個人的には、オールアウトはその後のセットに響いちゃうのであまり使っていませんが..

参考文献&引用

#1 Brad Jon Schoenfeld,Alan Albert Aragon,”How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution“,Journal of the International Society of Sports Nutrition201815:10.

#2 Schoenfeld BJ, Contreras B, Krieger J, Grgic J, Delcastillo K, Belliard R, Alto A,”Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men.“,Med Sci Sports Exerc. 2019 Jan;51(1):94-103.

#3 Saric J, Lisica D, Orlic I, Grgic J, Krieger JW, Vuk S, Schoenfeld BJ,”Resistance Training Frequencies of 3 and 6 Times Per Week Produce Similar Muscular Adaptations in Resistance-Trained Men.“,J Strength Cond Res. 2018 Oct 22.

#4 Schoenfeld BJ,”The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training.“,J Strength Cond Res. 2010 Oct;24(10):2857-72.

#5 Williams TD, Tolusso DV, Fedewa MV, Esco MR,”Comparison of Periodized and Non-Periodized Resistance Training on Maximal Strength: A Meta-Analysis.“,Sports Med. 2017 Oct;47(10):2083-2100.