目次
食物繊維の糖尿病リスクを下げる効果
「食物繊維の摂取は糖尿病リスクを下げる!」というメタ分析は前回紹介しましたね。
すると次に気になるのが「どんな食べ物から食物繊維を摂ればより効果が出るの?」という部分。食物繊維も野菜、果物、穀物色んな食べ物から摂れますからね。
食物繊維を増やして糖尿病を改善できることが確定した件。二型糖尿病予防には「穀物の食物繊維」が一番!
この疑問に関して参考になるのが、2007年の食物繊維とマグネシウムの摂取に関するメタ分析(#1)でして、糖尿病リスクを一番下げるのは穀物からの食物繊維摂取だったとの報告が。研究内容はザっとこんな感じです。
- 9つの食物繊維の前向きコホート研究
- 計176117人年(総参加者数×それぞれの追跡年数合計)
- 男性は9702人、女性は15365人
- 年齢は35~65歳
- 食事のアンケートを2、3年おきにやってもらう
- 年齢、性別、運動習慣、食事などの要素は調整
- 食物繊維の摂取群を多~少で5つに分類
本当はマグネシウムも対象なんですが、ここでは食物繊維についてのメタ分析結果のみを書いていきます。食事に関しては細かく調査されていて、どんな食材から栄養を摂るかまで比較しています。結果は次のようになりました。
結果
- 食物繊維全体でみると糖尿病リスクの低下と相関はなかった
- 穀物(シリアル、全粒粉パン)からの食物繊維摂取で糖尿病リスクが下がった
- 果物、野菜からの食物繊維摂取では糖尿病リスクに効果が無かった
各食材と糖尿病の相対リスクを表すグラフで見ても、穀物だけ明らかにリスクが低下しています。ちなみに基準は1で、そこから下がっているほどリスク低下を表します。となると果物と野菜は誤差の範囲内なので、リスクに変化がない、と言えます。
赤羽(Akabane)
今回のメタ分析で、「食物繊維は糖尿病リスクを低下させる」という可能性が強まって、更に「食物繊維は穀物から摂ったほうが良さそう」という結論になりました。食物繊維不足であれば、砂糖など余計なものがあまり入ってないシリアルや、炭水化物を制限するようなことも控えるべきです。(*炭水化物=糖質+食物繊維)
関連記事はこちらをどうぞ
超大規模研究で明らかになった「食物繊維」の驚くべき14の健康効果【図解】食物繊維とプレバイオティクスの違いとは?日本の研究でも判明!食物繊維の摂取量が多いほど早死にリスクが低かった参考文献&引用
#1 Matthias B. Schulze,Mandy Schulz,Christin Heidemann,”Fiber and magnesium intake and incidence of type 2 diabetes: a prospective study and meta-analysis.“,