赤羽(Akabane)
目次
ビッグ5性格診断にみる「ボキャブラリーを流暢に操れる人」の特徴とは?
まずはビッグ5についてザックリおさらいしておきましょう。
科学的に最も信頼できる性格診断「ビッグ5性格診断テスト」
ビッグ5とは、次の5つの性格特性別に自分の特徴を見ていく性格診断です。
ビッグ5の性格特性
- 誠実性..真面目さ、勤勉さ
- 神経症性..心配性、繊細さや不安傾向
- 開放性..新しいこと、変化を受け入れる度量
- 協調性..周囲への配慮や協力
- 外交性..人間関係の構築やいわゆるコミュ力など
この診断は科学的な分析でも「精度&有効性が高い!」と評判で、性格診断の中でもゴールドスタンダードになりつつあります。
実際の診断テストは記事最後のリンクからご覧いただくとして、一旦は先へ進みましょう。
10件の観察研究から9万人のビッグ5を調査した結果..
では本題ですが、ボキャブラリーを流暢に操れる人の特徴は何だったんでしょうか?この疑問について、2019年にフロリダ州立大学医学部が発表したメタ分析(#1)では、10件のコホート研究から90000名以上の人々(16~101歳)を対象に調査してくれています。
まずここでの「ボキャブラリーの流暢さ」は認知タスクで測定されます。具体的には「動物の名前を出来るだけ多く1分以内に出していってください」「”f” で始まるワードを出来る限り書き出してください」みたいな感じです。英語がペラペラ、とかそっちのイメージではないので注意です。
でこの認知テストの結果と各々のビッグ5診断結果を照らし合わせていきました。すると結果、こんなことが分かったようです。
- ボキャブラリーの流暢さは、年齢でみると40代くらいを境に徐々に低下していた
- 神経症性が高い人は制限時間で取り出せるボキャブラリの数が少なかった
- 外向性や誠実性、特に開放性が高い人は逆に多かった
まとめると、メンタルが安定していて勤勉で、人と積極的に関われて、新しい知識や経験に開放的な人はボキャブラリーがスルスル出てきたんですね。
また更に詳しく調べてみると、こんなことも分かったようです。
- 神経症性、誠実性、開放性のボキャ流暢さへの影響は 60代より高齢で大きかった
- アメリカとイギリス、など国では違いが見られなかった
- 誠実性のボキャ流暢さへの影響は、学歴や教育レベルが低い場合に大きかった
この辺りの解釈は複雑ですが、ビッグ5とボキャブラリーの流暢さの関係は、年齢をはじめ色々な要素の影響を結構受けているということです。
注意点・まとめ
今回の注意点は、「神経症性が高いと頭が悪い」と解釈しないように!という点でしょうか。神経症性はメンタルの不安定性や内向的な面が特徴なので、緊張でパフォーマンスが落ちてしまう可能性もあるからです。
また分析の面で言うと、やはり認知テストの成績には年齢がかなり大きく影響している点も押さえておくと良さそうです。加齢の影響のサブ的な要素として、性格特性によっても影響を受けるぞ、という解釈ですね。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 神経症性が高い人はボキャブラリーの流暢さが低かった
- 外向性や誠実性、特に開放性が高い人はボキャブラリーの流暢さが高かった
- 年齢の影響が一番大きそうだが、その脇で性格特性もなかなかの影響力がありそうだ
こんな感じでしょうか。「メンタルが安定していて勤勉で、人と積極的に関われて、新しい知識や経験に開放的な人」大体こういった特徴の人は、その年齢層の中でもボキャブラリーが流暢なのかもしれません。
赤羽(Akabane)
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#1 Sutin AR, Stephan Y, Damian RI, et al. Five-Factor Model Personality Traits and Verbal Fluency in 10 Cohorts. Psychol Aging. 2019 May;34(3):362-373.