赤羽(Akabane)
目次
トレイニー向け!筋肥大を狙うなら部位別で週何回トレーニングすればいいのか?
早速ですが、この問題について最近面白い研究が出ていたので紹介します。
経験者は筋肉の部位毎に週の頻度を増やすべきかも!という研究結果
これは2018年にピラシカバメソジスト大学が発表したRCT(#1)で、筋トレ経験者だと週当たりの頻度を増やしたほうが筋肥大にはいいかも?という結論になっていました。
具体的な内容を見ていくと、これは18名の筋トレ経験者男性(平均26.4 ± 4.6歳)を対象にした比較実験で、まず彼らを次のようなグループに分けました。
- SPLITグループ…筋肉の部位当たりに週1回ずつ鍛える(9名)
- TOTALグループ…筋肉の部位辺りに週5回ずつ鍛える(9名)
ここでの重要なポイントは、各部位セット数は週合計で同じだということ。つまり週で見た筋トレのボリュームは揃えてあるんですね。
ちなみに実験期間は8週間で、週に2回ずつ食事の内容もチェック。そしてそれぞれの筋トレメニューはこんなイメージです。
- SPLITグループ:月~金で1日ずつ胸、二頭筋、脚、背中、三頭筋で分けて10~12RMの重さで各3セットずつ(1日1部位をガッツリ)
- TOTALグループ:月~金で1日に胸、二頭筋、脚、背中、三頭筋のメニューを10~12RMの重さで各3セット(1日全身まんべんなく)
でグループごとに実験前後で、ベンチやスクワット等の1RM(一回ギリギリ挙げられる重さ)や、超音波で各部位の筋肉量の増加具合をチェックしたところ、次のような結果になりました。
- 筋力(1RM)に関してはグループ間で差がなかった
- 筋肥大(超音波筋肉量)に関してはTOTALグループのほうが有意に大きくなっていた
- 具体的には外側広筋と前腕屈筋の筋肉量が有意に増加した
どうやら、筋力アップについてはグループで差が出なかったものの、筋肥大に関して言えば1日に全身を満遍なくやったほうが効率的!ということみたい。
これについて、研究チームは次のように仰っていました。
SPLITでは同じ部位を1日かけて2分のインターバルで鍛え続けるが、TOTALでは部位ごとに24時間のインターバルがある。つまり、TOTALなら神経筋の疲労を避けることができる。[筆者訳]
個人的にはうなずける話かなぁと思います。現に、実験内ではTOTALグループのほうが最終的に挙げた総重量が8週にわたってずっと多かったんですね。でこの差が筋肥大効果の差につながった、と。
注意点・まとめ
ただ幾つか注意点もあって、
- 実験期間は8週間:これより長期だとどうなるか不明
- 参加者は男性経験者のみ:女性の経験者でどうなるか不明
- 参加人数が少ない:科学的根拠としてはまだ弱い
この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。また、筋トレ経験者男性を対象にした2018年の研究(#2)では、週3でも週6でも結局ボリュームが同じなら全体的に筋力も筋肥大効果も大差なかった!という結論になっていたり、微妙な実験デザインの違いによっても結果がバラバラな感じですね。
以上も踏まえると、男性経験者でもちゃんと効果が出る確証はまだありませんが、「1日に同じ部位をやり続けると数こなせないなぁ…」という方は試す価値があるんではないかと。
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらをどうぞ
【結局アレが大事】筋トレは週3でも週6でも同じくらい筋力アップ&筋肥大するらしい。「筋肥大には高負荷トレ」はもう古い?筋肉は低負荷トレでも高負荷と同じくらいデカくなる件。専門家が選ぶ!筋肥大を最大化する筋トレテクニック4選筋トレの順番で筋力アップや筋肥大の効果はどのように変わるのか?参考文献&引用
#1 Zaroni RS1, Brigatto FA, Schoenfeld BJ, Braz TV, Benvenutti JC, Germano MD, Marchetti PH, Aoki MS, Lopes CR. High Resistance-Training Frequency Enhances Muscle Thickness in Resistance-Trained Men. J Strength Cond Res. 2019 Jul;33 Suppl 1:S140-S151.
#2 Saric J, Lisica D, Orlic I, Grgic J, Krieger JW, Vuk S, Schoenfeld BJ,”Resistance Training Frequencies of 3 and 6 Times Per Week Produce Similar Muscular Adaptations in Resistance-Trained Men.“,J Strength Cond Res. 2018 Oct 22.