赤羽(Akabane)
目次
細胞レベルで若返る体のエネルギー感知機能「AMPK」を活性化させる10の方法
前回はAMPKの基礎編として、AMPKとは?どんな機能や効果があるの?というところを図解付きで説明していきました。まだご覧になっていなくて興味がある方は先に以下リンクからご覧ください。
簡単に言えば、AMPKとはエネルギー代謝を調節している酵素の一種で、こいつがエネルギー源である体内のグリコーゲン(糖質)が尽きた時に反応して、脂肪を燃やして使うように指示出しをする役割を担っているんですね。
そんなAMPKは、動物実験で寿命が延びる!と報告されていたり、とにかく健康メリットが沢山あります。ということで、今回はAMPKを活性化させる有望な方法をズラッと並べて見てみましょう。
【図解】体内に備わった超優秀なエネルギー感知機能「AMPK」とは?プチ断食やメトホルミンとの関係も解説。実践編:AMPKを活性化させる10の方法
出典は2010年以降に発表された幾つかの研究(#1, #2, #3, #4)をまとめて参考にしています。
中身はザっと生活習慣から成分、医薬品まで様々ですが、共通しているのはどれも【AMPKセンサーを発動させるために体内の貯蓄エネルギーを枯渇させるか、エネルギーを使い果たしたと思い込ませる作用がある】という点でしょうか。
では早速、最近の研究結果をまとめてわかった10の有力候補を見ていきましょう。
1. 運動
そもそもAMPKの説明がよく出てくるのはスポーツ栄養学などのジャンルで、運動でエネルギーを消費する仕組みのときに必ず登場します。
AMPKが活性化する条件として体内のエネルギー源の枯渇があるので、運動はこれに直接働きかけてくれます。
2. プチ断食
プチ断食も運動と同様に、空腹の時間を長く設けることで体内のエネルギー源が枯渇する状態をキープします。
一般的には12~36時間の空腹でエネルギー源が脂肪を燃焼するように切り替わると言われていて、プチ断食なら大抵は長くても24時間までの空腹なので、条件を満たすには十分でかつ体への負担も抑えることができます。
3. レスベラトロール
レスベラトロールはポリフェノールの一種で、アントシアニンと並んでブドウの皮などに豊富な非常に強力な抗酸化物質です。
仕組みとしてはミトコンドリアのATP(アデノシン三リン酸というエネルギー源)産生を妨げる経路でAMPKを活性化するみたいで、近年でも二型糖尿病に効くという研究結果が多数報告されていたりします。
ご購入はこちらから出来ます↓
4. ケルセチン
ケルセチンはポリフェノールの一種で、タマネギの黄色い色素で有名なフラボノイドです。
他にもリンゴやソバ、ブロッコリーなどにも豊富で、割と色々な野菜や果物に含まれる強力な抗酸化物質です。レスベラトロールと同様にミトコンドリアのATP産生を妨げる経路でAMPKを活性化しますが、体内での利用効率が悪いのが玉に瑕。
ご購入はこちらから出来ます↓
5. クルクミン
クルクミンはポリフェノールの一種で、ウコンに含まれる強力な抗酸化物質です。
クルクミンも体内での利用効率が悪いことで有名ですが、近年では改良されたサプリなども沢山あるので、詳しくはこちらをどうぞ。個人的にも試してもいいのかな?と思えるサプリです。
ご購入はこちらから出来ます↓
6. エピガロカテキンガレート(EGCG)
EGCGはポリフェノールの一種で、代表的な食品では緑茶に最も豊富に含まれる抗酸化物質です。
他にもブドウやダークチョコ、リンゴなどにも含まれていて、割かし摂取しやすい成分ではあります。私はリンゴや緑茶を中心に積極的に摂取しているので必要ありませんが、サッと済ませたい方はサプリを試してみると良さそうですね。
ご購入はこちらから出来ます↓
7. ベルベリン
ベルベリンは漢方の黄連(オウレン)などに豊富なアルカロイドの一種で、血糖コントロールを善くして糖尿病を改善する効果も期待されています。
サプリで摂るなら一日1000~1500mgくらいの範囲が推奨されていて、1錠~500mgのサプリを3回に分けて飲むのがよろしいかと思います。ただし妊婦さんや胃腸に疾患がある方は、服用を避けたほうが良さそうです。
ご購入はこちらから出来ます↓
8. メトホルミン
メトホルミンは定番の糖尿病治療薬で、主にAMPKを活性化させる経路でエネルギー(糖質)産生を阻害したり、インスリン感受性を高めたりして治療効果を高めることが分かっています。(別の経路もある)
ここ最近では糖尿病にとどまらず「がんに効く!」「早死にリスクを下げる!」といった効果も報告されていて、2015年にはアメリカ食品医薬局(FDA)もアンチエイジング薬としてメトホルミンの臨床試験を許可していたりします。
ただし2016年にアップデートされた声明(#5)では、腎臓の機能が低下している患者ではメトホルミンの使用を避けるように注意喚起をしています。これは、兼ねてから言われていた「乳酸アシドーシス」という危険な状態を、メトホルミン+ 腎機能低下が引き起こす恐れがあるからです。
9. チアゾリジンジオン
チアゾリジンジオンは別名「グリタゾン」とも呼ばれる二型糖尿病の治療薬で、メトホルミンと同様にエネルギー産生を阻害してAMPKを活性化させるようです。
10. アルファリポ酸
アルファリポ酸は別名「チオクト酸」とも呼ばれていて、体内であらゆる反応の補酵素として働くビタミン様物質です。
この物質も強力な抗酸化作用があることが分かっていて、二型糖尿病をはじめ幅広い生活習慣病改善に役立つと期待されています。ただAMPKを活性化させるメカニズムについては、まだ詳しく分かっていません。
食品だと牛などのレバーやホウレン草、トマト、ブロッコリーなどに含まれていますが、量は少なめ。サプリでは200~1500mgくらいまで色々な量で実験が行われていますが、ひとまず以下の量であれば問題はなさそうです。
ご購入はこちらから出来ます↓
まとめ
では最後にAMPKを活性化させる方法を実践に落とし込むためのまとめを見ていきましょう。
- AMPKを増やす基本はエクササイズ!プチ断食!
- 食事面ではポリフェノール類が豊富な食品をたっぷり摂取!
- 医薬品ではメトフォルミンは特に万能薬感が高まってきているが、AMPK活性化の為に使用するのはもう少し様子見したほうがいい
こんな感じでしょうか。結局のところ、当サイトでも健康的な習慣として強調しているものがAMPK活性化にも最適、というオチでしたね。
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらもどうぞ
【初心者向け】プチ断食の時間にプロテインを飲んではいけない理由『プチ断食 入門編』大まかな種類とその健康効果を3分で知る。【常識を疑う】緑茶の「カテキン」は脂肪燃焼&ダイエット効果がある!は科学的に本当なのか?「クルクミンは体内で全然吸収されない」って本当?吸収率を上げて効果を高める5つの有望株とは?最も気分を改善する効果が高い運動の「3箇条」とは?参考文献&引用
#1 Erik A. Richter and Neil B. Ruderman. AMPK and the biochemistry of exercise: Implications for human health and disease. Biochem J. 2009 Mar 1; 418(2): 261–275.
#2 D. Grahame Hardie. AMPK: A Target for Drugs and Natural Products With Effects on Both Diabetes and Cancer. Diabetes. 2013 Jul;62(7):2164-72.
#3 Joungmok Kim, Goowon Yang, Yeji Kim, et al. AMPK activators: mechanisms of action and physiological activities. Exp Mol Med. 2016 Apr; 48(4): e224.
#4 Marjolein A. Wijngaarden, Gerard C. van der Zon, Ko Willems van Dijk, et al. Effects of prolonged fasting on AMPK signaling, gene expression, and mitochondrial respiratory chain content in skeletal muscle from lean and obese individuals. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2013 May 1;304(9):E1012-21.
#5 U.S. Food & Drug Administration. FDA Drug Safety Communication: FDA revises warnings regarding use of the diabetes medicine metformin in certain patients with reduced kidney function. accessed on 27th Nov 2019.
※当記事はメンテナンス済みですが、2019年12月2日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。