「36時間も絶食する日替わり断食は危険だ!」これって本当?

「36時間も絶食する日替わり断食は危険だ!」これって本当?

赤羽(Akabane)

今回は「ストイックになりがちな日替わり断食って危険なの?」というお話です。

「36時間も絶食する日替わり断食は危険だ!」これって本当?

まずは前回のおさらいとして、以下の記事で日替わり断食についてザっとおさらいしておきましょう。(ご存知の方は読み飛ばしOK)
日替わり断食の定義とその効果とは?「一日食べて一日断食」は厳密には間違っている?【図解】日替わり断食の定義とは?「一日食べて一日断食」は厳密には間違っている?

絶食時間36時間の日替わり断食は危険?を長期で調べた研究

これは2019年にグラーツ大学が発表したRCT(#1)で、日替わり断食を最低6ヵ月以上実践している30名と、60名の健康な人たちを比較した実験になっています。

で彼らをグループ分けするんですが、日替わり断食未経験の60名を更にこんな感じでランダムに割り振りました。

  • 日替わり経験者(30名):そのまま日替わり断食で4週間過ごす
  • 日替わり断食(30名):日替わり断食で4週間過ごす
  • 通常食(30名):普段通りの食事を4週間続ける

この実験では、日替わり断食の断食日には一切のカロリー摂取が許されていなくて、かなりストイックな部類だと言えましょう。断食のルールを守っているか?も定期的にチェックしているし、この辺りもしっかりしています。

そして実験前後で体型やホルモン、代謝のバランスなどをチェックしてみたところ、こんなことが分かったようです。

結果
  • 日替わり断食で結果的に一日37.4%程のカロリー制限に成功していた
  • 実験期間で平均3.5㎏の減量に成功した
  • 日替わり経験は6か月以上でも体に悪影響は見られなかった

ここから言えるのは、日替わり断食はしっかり痩せる!ということと、半年くらいであれば言うほど危険じゃない!ということです。

しかも今回対象だったのは皆健康で普通体型の人で、つまり太っている人と比べるとそれ程減量が見込めない人たち。それでこのダイエット効果はなかなかだし、より多くの人の参考になるんではなかろうか?と。

そして更に詳しい結果を見てみると、こんなことも分かっています。

  • 日替わり断食で体内のケトン体レベルが上昇していた
  • T3(甲状腺ホルモン)が、甲状腺機能の低下なしで減少した
  • 日替わり断食を6か月続けていた人でのみ総コレ、悪玉コレ、超悪玉コレ、中性脂肪が減少していた

まとめると、体の脂肪が燃えやすくなっていたり、長生きや循環器疾患リスクに関わる指標も改善していたんですね。しかもこれら全部ひっくるめて、運動など他の要素の影響はなかったみたい。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、まず今回の結果は6か月くらいまで続けた場合の話なので、年単位だとどうなるか分かりません。

またプチ断食全般に言えることですが、子どもや妊婦さんにはお勧めしないのと、女性の場合は断食時間が長いとホルモンバランスが崩れてしまうのでご注意ください。

では以上を踏まえて今回の内容のまとめです。

ポイント
  • 36時間の断食タイムがある日替わり断食は6か月くらいまではひとまず安全
  • 健康で標準体型の人でも体脂肪が減って減量成功、他の長生きに関する指標も改善していた
  • 子どもや妊婦さんにはお勧めできず、女性も長時間の断食は禁物

こんな感じでしょうか。多少効果は落ちるかもしれませんが、キツいなと感じた場合は断食日にも~800kcalのカロリーを摂取したほうがよろしいかと思います。

赤羽(Akabane)

日替わり断食の基本や、その他プチ断食については以下でも紹介しています。興味のある方は是非続きもご覧ください。

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参考文献&引用

#1 Stekovic S, Hofer SJ, Tripolt N, et al. Alternate Day Fasting Improves Physiological and Molecular Markers of Aging in Healthy, Non-obese Humans. Cell Metab. 2019 Sep 3;30(3):462-476.e5.