赤羽(Akabane)
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プチ断食vsカロリー制限!ダイエット効果から生活習慣病の数値まで徹底比較してみた
この話は前回も軽くしましたが、その時は「どっちが痩せる?」という部分だけでした。ちなみに結果はどちらも同じくらい痩せる!というもの。プラスアルファで上下の血圧も下がるかも?なんて結果も報告されていましたね。
プチ断食にダイエット効果はあるのか?現時点での科学の答えが出ていた件。プチ断食vsカロリー制限!痩せるのはどっち?
といったところで、今回は「プチ断食vsカロリー制限」をもっと詳しく見ていきます。参考になるのが2018年に発表されたメタ分析(#1)で、中身はザっとこんな感じでした。
- 11件のRCT研究を精査
- 肥満体系の630名が対象、結果的に102名がドロップアウト(脱落)
- 研究の大半はアメリカ、イギリスで行われた(その他オーストラリア、ノルウェー)
- 実験期間は8~24週間で参加者は以下のグループに分かれた
グループ分け
・カロリー制限グループ..1日の必要カロリーから25%を引いたカロリー総量を摂取していく
【その他ポイント】
*プチ断食グループの断食日摂取カロリーは最大でも660kcalまで
*食事内容..栄養バランス重視の健康食6件、参加者の好きに食べていい4件、栄養バランス有健康食だが食事のチョイスが与えられた1件
*6件の研究で食事ルールを守っているか確認するため食事の記録をした
ということで大々的にプチ断食とカロリー制限を闘わせたんですね。日本の研究がないのが惜しいですが、結果はこんな感じになりました。
- 体型への効果は大差なし!
- コレステロール値系にも大差なし!
- 糖尿病のリスク要素にも大差なし!
- 上下の血圧にも大差なし!
- 空腹時のインスリン値はプチ断食で優位に減少!
- 体重(減量差:-0.61kg{95%CI:-1.70~0.47kg;p=0.27})
- 体脂肪(減量差:-0.23kg{95%CI:-1.23~0.77;p=0.66})
- 除脂肪体重(減量差:-0.22kg{95%CI:-1.01~0.56;p=0.58})
- ウエスト周り(減少差:-0.17cm{95%CI:-1.74~1.39;p=0.83})
- 空腹時血糖値(減量差:-0.49mg/dL{95%CI:-1.98~0.99;p=0.51})
- HbA1c(減少差:-0.02%{95%CI:-1.10~0.06;p=0.62})
- トリグリセライド(減量差:-3.11mg/dL{95%CI:-9.76~3.54;p=0.36})
- 総コレステロール(減量差:0.38mg/dL{95%CI:-3.89~4.66;p=0.579})
- HDLコレステロール(増加量差:1.72mg/dL{95%CI:0.20~3.63;p=0.07})
- LDLコレステロール(減量差:-0.69mg/dL{95%CI:-4.39~3.01;p=0.757})
- トリグリセライド(減量差:-3.11mg/dL{95%CI:-9.76~3.54;p=0.36})
- 収縮期血圧(減量差:-0.25mmHg{95%CI:-4.89~4.49;p=0.001})
- 拡張期血圧(減量差:0.16mg/dL{95%CI:-1.64~1.97;p=0.753})
- 空腹時インスリン(減量差:-0.89µU/mL{95%CI:-1.56~-0.22;p=0.009})
まとめると、プチ断食の効果は全体的にカロリー制限と大差ない模様。ただ、細かく見ていくとプチ断食の種類によって結果が微妙に変わったりしたとのこと。例えば中性脂肪の改善効果はプチ断食とカロリー制限で大差なかったんですが、日替わり断食などだけで見るとおよそ4倍くらい中性脂肪を減らしていたり。
赤羽(Akabane)
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#1 Iolanda Cioffi, Andrea Evangelista, Valentina Ponzo, Giovannino Ciccone, Laura Soldati, Lidia Santarpia, Franco Contaldo, Fabrizio Pasanisi, Ezio Ghigo, Simona Bo,”Intermittent versus continuous energy restriction on weight loss and cardiometabolic outcomes: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials“,J Transl Med. 2018; 16: 371.