荒れた腸を立て直す食事制限「低FODMAP」の問題点:栄養の偏りによって不足しがちな7つの栄養素

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荒れた腸を立て直す食事制限「低FODMAP」の問題点:栄養の偏りによって不足しがちな7つの栄養素

荒れた腸を立て直す食事制限「低FODMAP」の問題点:栄養の偏りによって不足しがちな7つの栄養素

今回は腸内環境を立て直す食事法「低FODMAP」の問題点についてのお話です。
 
 
「FODMAPs(フォドマップ)」については前章でザックリ説明しておりますが、一応ここでも軽くおさらいしておきます。
 

「FODMAPs」とは、「Fermentable(発酵性)」「Oligosaccharides(オリゴ糖)」「Disaccharides(二糖類)」「Monosaccharides(単糖類)」「Polyols(ポリオール)」の頭文字を取った名称で、短鎖炭水化物や糖アルコールのグループを表したものである。[筆者訳](#1)

 
あまりピンとこないかもですが、要はこうした炭水化物の仲間たちは消化吸収が大変だったり、腸内でガスを発生させやすかったりで、腸内環境が最悪な人にとってはよろしくないモノなんですね。
 
 
で荒れ果ててしまった腸内環境を復旧するために、このFODMAPを徹底的に排除した「低FODMAPs食」が効果てき面だ!と。

低FODMAPの厳しい食事制限で不足しがちな栄養素

ではここから本題へ。「低FODMAP」の食事制限で起こる問題点、それはズバリ「栄養の偏り」です。ここからは、具体的にどんな栄養が足りなくなるのか?を見ていきましょう。
 
 
今回参考になるのが2017年にマルケ工科大学が発表したレビュー研究(#2)で、次のような栄養が不足しがちだと仰っていました。

 

低FODMAPで不足しがちな栄養素
  • 食物繊維:FODMAPでもろに制限するターゲットなので当然不足する。野菜や果物、穀物・ナッツ類などメインの摂取源がかなり制限される。
  • カルシウム:メインの摂取源である乳製品が制限されるので不足する。ヨーグルトや一部チーズなどが食べられないし、乳製品の乳糖はカルシウム吸収率を上げるので、この効果も得られなくなる。
  • 鉄:一部豆類や野菜が制限されるので不足するかもしれない。ただ個人的には、お肉(特にレバー)などFODMAP制限があまり関与しない部分でしっかり補えれば問題はないように思う。それに、食物繊維や穀物が制限されている点で、鉄の吸収を邪魔する要素も減ることになる。
  • 亜鉛:一部豆類や穀物が制限されるので不足するかもしれない。こちらも個人的には、魚介類(特にカキ) やお肉で補えれば問題はないように思う。鉄と同様に、食物繊維や穀物が制限されている点で、亜鉛の吸収を邪魔する要素も減ることになる。
  • 葉酸(ビタミンB9):一部葉物野菜などメインの葉酸摂取源が制限されるので不足するかもしれない。
  • ビタミンD:乳製品が制限されるので不足するかもしれない。この点については、個人的には魚やお肉などをしっかり食べて日光を浴びていれば問題ないと思う。
  • 自然の抗酸化物質:フラボノイドやカロテノイド、ポリフェノールなど自然界の抗酸化物質が全般的に制限される。この点も、OK食品にある食品で十分補えるので、それ程大打撃ではないように思う。
 

食物繊維やカルシウム辺りは結構影響を受けそうですが、他の栄養素に関してはOK食品やFODMAPがあまり関わらない食品群で十分補える範囲にあるかと思います。
 

まとめ

では最後に今回の内容をまとめます。

 

ポイント
  • 低FODMAPには栄養が偏るという問題点がある
  • 特に食物繊維、カルシウムあたりは打撃が大きい
  • こうした面からも、あまり長期にわたって厳しい制限を続けるべきではない
 

この辺りは押さえておくとよさそうです。また、栄養の偏りが気になる方は、2019年に「低FODMAP」の生みの親であるモナッシュ大学が提唱した「優しいFODMAP(#3)」から取り入れてみるのも手ですね。

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赤羽(Akabane)

「FODMAP」については、結構細かく触れていて過去にバックナンバーも溜まっていますので、さかのぼりたい方は以下も併せてご覧ください。

壊れた腸内環境を立て直す「FODMAPs」バックナンバー

参考文献&引用

#1 Peter R Gibson Susan J Shepherd. Evidence‐based dietary management of functional gastrointestinal symptoms: The FODMAP approach. Journal of Gastroenterology and Hepatology Volume25, Issue2, February 2010, Pages 252-258.

#2 Giulia Catassi, Elena Lionetti, Simona Gatti, and Carlo Catassi. The Low FODMAP Diet: Many Question Marks for a Catchy Acronym. Nutrients. 2017 Mar; 9(3): 292.

#3 Emma P Halmos Peter R Gibson. Controversies and reality of the FODMAP diet for patients with irritable bowel syndrome. J Gastroenterol Hepatol. 2019 Jul;34(7):1134-1142.