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教育心理学の権威キャロル・デュエク教授の名著
当サイトでは過去に「マインドセット」というものに少し触れました。これはスタンフォード大学の心理学名教授キャロル・デュエク氏の名著で、人の成功に大きく関わる要素だ!とされる概念を指します。
そこで今更感はありますが、改めてこの名著について簡潔にかみ砕いてまとめてみようと思います。
「硬直マインドセット」vs「しなやかマインドセット」
まずこの著書の根っこの部分から見ていきますと、大きく2つのマインドセットがあるという点が最重要ポイント。その2つというのは「硬直マインドセット」「しなやかマインドセット」というもので、概要はザっと以下の通り。
硬直マインドセット
自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人-「硬直マインドセット」の人-は、自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない。[筆者訳](#1)
これは完璧主義の考え方に似ていますね。人の能力は生まれた時から決まっていて、努力ではどうにもならない。ポーカーで例えると、最初に配られた札だけで勝負しなければならない!なんて状況です。こうなると手札は変えられないので、いかに強く見えるか相手や自分に思い込ませたくなるんですね。事実、硬直マインドセットの人は「今の自分がどれだけ優れてるか?」に固執する傾向があるのだとか。
・従って“今の自分”の能力が優れてることを示したい
・望んだ結果が出ないなら努力は無駄だと考える
・ゆえに失敗を恐れて挑戦に踏み出せないことも
しなやかマインドセット
人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念だ。[筆者訳](#1)
一方でしなやかマインドセットは、生まれながらに持った資質は努力で伸ばせる!とする考え方。先のポーカーの例で言うと手札はどんどん強くしていけばいいじゃない?とする考えですね。このマインドセットを持っていると、努力は能力を伸ばすのに必要不可欠だと考える傾向にあり、失敗をしてもそこから何か学ぼうとする姿勢が見受けられるのだとか。
・失敗したらそこから最大限学んで次に活かす姿勢がある
・ゆえに失敗を恐れず果敢に挑戦できる
あなたはどっち?マインドセット診断
ザックリ2つのマインドセットについて分かったところで、今度は実際に診断をしてみましょう。こちらもかなりザックリした診断ですが、そう思う/そう思わないで答えてみてください。
マインドセット診断
2.新しいことを学ぶことはできても、x を変えることはできない。
3.x は現在のレベルに関わらず、かなり伸ばすことができる。
4.x は伸ばそうと思えば、相当伸ばすことができる。
(x = 知能、運動能力、芸術的才能、ビジネススキル、人間的資質)
いかがでしょうか。結果は1と2が当てはまれば硬直マインドセット寄り、3と4が当てはまればしなやかマインドセット寄りですね。またジャンルによって意見が分かれることもあるかと思います。ちなみに私は、芸術的才能に関しては「硬直マインドセット」寄り、他は「しなやかマインドセット」寄りでした。
「しなやかマインドセット」を育てる
ということで最後に「しなやかマインドセット」を育てる方法をつらつら書いて終わりです。キャロル・デュエク教授は大まかにはこんなことを仰っています。
- まずは脳も鍛えればレベルアップすることを知ろう!
- そこから「変化を恐れない」こと!
- セルフコントロール能力を身につけて変わろう!
では具体的にどうすればいいのか?これについては、著書内で出てきた例でいうと「自動思考キャッチ」や「エクスプレッシブライティング」を使ってマインドセットを変えようとしているモノが幾つかありました。つまり“認知の歪み”を矯正するのに使えるテクニックがおススメされているんですね。
赤羽(Akabane)
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#1 キャロル・S・デュエク著 今西康子訳『MINDSET マインドセット「やればできる!」の研究 The New Psychology of Success』草思社、2016。