【2020年最新】オーガニック食品は本当に健康的なのか？現時点のエビデンスを見てみよう

赤羽(Akabane)

今回は「オーガニック食品って本当に健康なの？」というお話です。

健康志向が強い人はオーガニックを好む傾向がありますが、一体どんなメリットがあるのでしょうか？この問題については2010年にも系統的レビュー(#1)が出ていますが、エビデンスが少なくてまだはっきりとしたことは言えない感じでした。

ということで、この件について最新のアップデートを見ていきましょう。

2020年にサザン・クロス大学が発表した系統的レビュー(#2)によると、オーガニックで健康的なメリットが得られるかもよ！とのことでした。

このレビューは過去最大の35件の研究をまとめたもので、オーガニック食品を食べ続けることで何らかの健康効果はあるのか？を調べた研究です。うち15件が臨床試験で、20件が観察研究だった模様。

では早速分かったことを見ていくと、ザっと以下の通りです。

結果

臨床試験では全体的にオーガニックの健康的なメリットは確認されなかった
観察研究では、オーガニックの食品を摂取している人ほど不妊や先天性欠損、アレルギー反応、中耳炎、子癇前症、メタボ、BMIの増加、非ホジキンリンパ腫の発症リスクが小さかったという報告が見られた

ここから言えるのは、オーガニック食品を積極的に摂ることであらゆる健康的なメリットが得られるかもしれない、という事です。

ただ臨床試験のデザインがバラバラだったり、結果として目立ったメリットが報告されていない点が気になるところ。例えばオーガニック食に変える範囲が一つの食品だけという実験もあれば、食事を全部オーガニックに変える大々的なものもありました。

オーガニックとそうでない食品では、含まれる栄養素には大差はありません。ただ違いを挙げるとすれば、以下の点でメリットがあるのかもしれません。

こうした違いは体内の炎症レベルや脂質の数値など、生活習慣病のリスク因子に大きな影響を与えます。

ただ一方で、ただ単にオーガニック嗜好な方がもともと健康的だっただけでは..？という可能性もあります。以下がオーガニックを好む人の特徴です。

オーガニックを好む人の特徴

ザックリ見ても健康意識が高そうな条件がずらりと並んでいますね。この辺の因果関係をハッキリさせるのに観察研究だと限界があるので、今後はRCTなどの臨床試験がもっと増えていけばと思います。

ということでオーガニックの健康的メリットについては、現状でもまだエビデンスが十分とは言えなさそうです。観察研究ではそこそこのメリットが報告されましたが、肝心の臨床試験はまずまずといった感じ。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント

こんな感じでしょうか。個人的には、お金に余裕があればオーガニックにしてみてもいいのでは？くらいの感想です。

赤羽(Akabane)

私は今回の結果を受けて、オーガニックに変えようとは思いませんでした。というのも他にもっと安上がりな健康改革はいくらでもあるからです。健康な食事、というテーマに関しては以下をお勧めしておきます。

参考文献&引用