「あそこはもっと..こうだ!」セルフトークはスポーツや学習のパフォーマンスを高めてくれるのか?

2020年1月27日CBT(認知行動療法), その他エクササイズ, 教育&勉強法

「あそこはもっと..こうだ!」独り言はスポーツや学習のパフォーマンスを高めてくれるのか?

「あそこはもっと..こうだ!」自分に言い聞かせる独り言はスポーツや学習のパフォーマンスを高めてくれるのか?

今回は「スポーツやトレーニング中に自分に言い聞かせる独り言って効果あるの?」というお話です。
 
 
まずこの独り言ですが「セルフトーク」と呼ばれていて、スポーツ心理学なんかでも1980年代くらいから取り上げられてるテーマです。でここからはその総まとめ的な研究を見ていきましょう。
 

「私ならできる..!」「ここはもっとこうした方が..」セルフトークってスポーツのパフォーマンス向上に効果ある?

これは2011年にテッサリア大学が発表したメタ分析(#1)で、32件の研究から2741名を対象に、【スポーツの能力アップ、学習、スキル習得などにセルフトークは効果あり?】という問題を調べたもの。
 
 
細かい部分の分析は後で触れるとして、一旦全体の結果から見ていきましょう。

 

  • セルフトークのパフォーマンス向上効果は中くらいだった(効果量d⁺ = .48; 95%CI .38 ~.58)

 

どうやらセルフトーク全体で、まずポジティブな結果が得られたよう。ひとまずは「私ならできる..!」「ここはもっとこうした方が..」どんなタイプでも大丈夫みたいですね。
 
 
ではここから、もう少し詳しく見てみましょう。

 

  • 負荷が大きすぎるタスクより、程よいレベルのタスクをこなすのに効果が高かった(d⁺ = 0.26 vs. d⁺ = 0.67)
  • 負荷が大きいタスクには動機づけ型セルフトークが効果的だった
  • 程よいレベルのタスクには指示型セルフトークが効果的だった

 

こんな傾向も見られたようです。つまりパフォーマンスを上げたいタスクやスキルによって使うべきセルフトークが違うかもしれない、と。
 
 
ちなみに動機づけ型セルフトークが「私ならできる…!」みたいに自分を鼓舞するタイプで、指示型セルフトークは「あそこはもっとこうした方が..」とパフォーマンスを客観的に分析するタイプです。キツいトレーニングでは松岡修造さんタイプが向いていて、フォーム確認などの練習には分析をするような独り言が向いているようですね!
 

注意点・まとめ

ただ注意点もあって、上で今見た細かい部分の調査では、サンプル数が軒並み少なかったようです。つまり、ここから得られた効果は精度が低い可能性があるんですね。
 
 
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

 

ポイント
  • 自分に言い聞かせる「セルフトーク」は全般的にまあまあスポーツや学習のパフォーマンスを上げてくれそう
  • 困難なタスクには「動機づけ型」、程よいタスクには「指示型」みたいに状況に応じて最適なタイプが変わるかも
  • 細かい部分の分析はまだ精度が高くない
 

こんな感じでしょうか。状況に応じた種類や適性は参考程度に、セルフトーク自体は結構役に立つんじゃなかろうか?と思います。

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赤羽(Akabane)

私もセルフトークを無意識に使いだしてからは、自分の実力や課題も客観視できるようになった気がします。そうすると毎回のトレーニングの質も上がるんで、何かに伸び悩んでいる方は使ってみると良さそうですね。

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参考文献&引用

#1 Hatzigeorgiadis A, Zourbanos N, Galanis E, Theodorakis Y. Self-Talk and Sports Performance: A Meta-Analysis. Perspect Psychol Sci. 2011 Jul;6(4):348-56.