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【脳、メンタル、運動】睡眠不足がその日のパフォーマンスに与える影響がよく分かる実験結果

赤羽(Akabane)

睡眠不足は脳の活動、運動、ひいてはメンタルにも影響を及ぼすことが分かっていますが、具体的にどんな睡眠スケジュールだと悪影響なのか?というところまでは分かっていませんでした。そこで今回紹介する研究結果が参考になりそうです。

【脳、メンタル、運動】睡眠不足がその日のパフォーマンスに与える影響がよく分かる実験結果

睡眠不足がパフォーマンスにもたらす影響を検証したチュニジアの実験結果

2019年にチュニジアのマヌーバ大学が発表したランダム化クロスオーバー試験(#1)によると、睡眠不足は軒並み日中のパフォーマンスを下げてしまうが、睡眠のスケジュールによって影響は微妙に変わってくる!ということが分かりました。

この研究では、14名の男性アスリート(平均18.5歳)を対象に、彼らを以下3つのパターンにランダムで振り分ける実験を行っていました。

ひな形…20:00にラボに到着。20:30に夕食をとり、【睡眠時間は〇〇~〇〇】とし、7:00に朝食をとり学校へ行く。学校では水以外口にせず、12:15までにラボへ戻り、それから昼食をとる。14:30までは休憩とし、それから気分や眠気、認知テストの実施、安静時の血液サンプルを採取する。そして15:00までにスプリントテストを開始して、その後の血液サンプルも採取。
  • パターンA…睡眠時間は22:30~6:30
  • パターンB…睡眠時間は22:30~2:30
  • パターンC…睡眠時間は2:30~6:30

(#1)より引用。NSNがA、PSDENがB、PSDBNがC。

参加者全員が、1週間ごとに間隔を空けつつ上記3パターンを一通りこなすスケジュールになっていまして、参加者によって違うのはその順番だけということになります。

グループ毎の特徴は、パターンAを標準として、パターンBを「早く寝たが夜中に目覚めてそのまま朝を迎えるケース」、パターンCを「夜更かしして睡眠時間が短くなるケース」という風に、睡眠不足のパターンを2種類用意した形になります。

そして実験の結果は、こんな感じになっていました。

結果
  • パターンBでは標準よりも有意にスプリントのパフォーマンスが低下していたが、パターンCは標準との間に有意差はなかった(パターンCの方がスプリントのパフォーマンスは良かった)
  • パターンCでは標準よりも有意にスプリントがキツかったと評価し、一方で血中の乳酸濃度はパターンBで運動後に有意に低下していた(パターンBの方が運動後の疲労感に関する数値は良かった)
  • パターンBは標準やパターンCよりも有意に認知テストのパフォーマンスが低く、主観的な眠気やうつ症状度、メンタルの緊張度も強かった(パターンCの方が気分や認知テストのパフォーマンスは良かった)

総合的に見ると、夜更かしして睡眠時間が削られる場合よりも、早寝をしたものの夜中に目覚めてしまった方が日中のパフォーマンス低下が著しいことが分かりました。

一点だけ、スプリント後の疲労に関する数値がパターンBで優勢だった件については、そもそもパフォーマンスが低下していて100%の力を出せなかったからでは?と考えられます。現にスプリントのスコアは低下していますし、あまり本気で取り組めなかった分、乳酸もあまり溜まらずキツさも感じにくかったのではないか?と。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • サンプルサイズが小さい: 参加者数が少ない分、統計的なパワーは弱い
  • サンプルは限定的: 対象は若い男性のアスリートのみなので、女性や高齢者、運動をしない人などで同様の結果が得られるかは分からない
  • 睡眠は参加者の主観で報告された: 肝心の睡眠時間に関しては「睡眠ポリグラフ検査」などの客観的なデータがないため、正確性に欠ける

全体的に、実験の規模が小さかったり、データの精度が低い点が今後の課題だと言えましょう。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 睡眠不足は確かに日中のパフォーマンスを下げるが、寝るのが遅くて睡眠時間が削られる場合よりも、早く寝たが夜中に目覚めてしまう方が日中のパフォーマンスの低下が著しいことが判明
  • 今回の実験では、22:30~2:30で寝るパターンの方が、標準の睡眠や2:30~6:30で寝る場合よりも認知や体力、気分のパフォーマンスが低下していることが分かった
  • ただし、実験としては初歩的であり、対象は若い男性アスリートのみなので、その他の特徴を持つ人やもっと多くの参加者を募っての追試は必要になってくる

赤羽(Akabane)

「現代人は睡眠の重要性に気づいていながら優先順位が低い!」なんていう調査報告もありますし、意識しないと睡眠の質を上げるのは難しいかもしれません。今回の実験で使われた眠気を測るスケールなど、興味のある方は以下の記事もどうぞ。

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参考文献&引用

#1 Romdhani M, Hammouda O, Chaabouni Y, Mahdouani K, Driss T, Chamari K, Souissi N. Sleep deprivation affects post-lunch dip performances, biomarkers of muscle damage and antioxidant status. Biol Sport. 2019 Mar;36(1):55-65. doi: 10.5114/biolsport.2018.78907. Epub 2018 Oct 17. PMID: 30899140; PMCID: PMC6413570.